『今からできること、ぜんぶ教えます!子育て中の不安がなくなるお金の超基本』【解説・感想】

本の紹介

 本書を読み終えたあとは、きっと不安に感じていたお金のことや将来のことが違って見えてくるはずです。 お金の不安をすっきりさせることで、ママ (パパ) 自身が心にゆとりをもって楽しく働いたり家族旅行に行ったり「今」も楽しめるようになる。これこそが、本書の目的です。

岡ゆみ著『今からできること、ぜんぶ教えます!子育て中の不安がなくなるお金の超基本』株式会社 青春出版(2022年)

今回は、岡 ゆみ著『今からできること、ぜんぶ教えます!子育て中の不安がなくなるお金の超基本』をご紹介します。

この本では、子育て真っ最中、あるいは将来子どもが欲しいと思っているけれど「お金」について知識がなく、将来が不安という方に向けて「お金の超基本」を分かりやすく教えてくれます。

著者の岡ゆみさんは、ファイナンシャルプランナーとして活躍し、自身も二人の子育てを経験したママです。

銀行勤務を経て独立した後は、延べ2500名のコンサルティングを行ってきました。

そんな著者「岡さん」が新米ママ「みどりさん」のリアルなお金のお悩みに答え対話形式となっているので、内容がスッと頭に入ってきて、かなり読みやすいです。

私自身、この本で教わったことを実際に行動に移して、月々の支出を1万円程減らした経験もあります。

この記事では、本書の内容の中でも「ここはぜひおさえておきたい!」というポイントに絞って解説していきたいと思います。

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ライフイベントごとの支出を知る

必要なときにお金に困らないようにするために、大きく分けると3つのステップに分けることができます。

 ステップ1は家族のライフイベントごとの支出を大枠で把握する。

 ステップ2は生活費を整える。

 ステップ3はお金を増やしていく。

この順でお金を整理していくことがおすすめです。

岡ゆみ著『今からできること、ぜんぶ教えます!子育て中の不安がなくなるお金の超基本』株式会社 青春出版(2022年)

お金の不安を解消するために、まず初めにやるべきことは、長期的な視点を持ってライフイベントごとの支出を大まかにでも把握することだと言います。

子どもが何歳になったときに、どれくらいお金が掛かるのか、予めシミュレーションしていくんですね。

例えば、こんな感じで、子どもと親 (パパとママ) の年齢、予想されるイベントとそれに掛かる費用を年表にまとめていきます。

<表 イベント年表 本書の内容を参考に独自に作成>

西暦パパ年齢ママ年齢長男年齢長女年齢イベント・出費
20203431
2021353253
202236334
202337345
202438358
202539367小校入学 10万円
20264037108
20274138119習い事 6千円/月
202842391210
202943401311中学入学 10万円

上の表は10年分ですが、本書では22年分の年表が載っていて、「大学入学」や「両親の米寿祝い」の費用も書かれていました。

こうすれば、まとまったお金が必要になる時期が分かるので、

「いつまでに、いくら貯める」

という見通しを持つことができ、直前になって焦るということも防げそうです。

貯めるには「先取り貯金」

全体像を把握できたら、生活費を整える段階に入っていきます。

できるだけ無駄遣いをしないように頑張っているのに、なかなかお金が貯まらない…。

そんな方のために、著者は「先取り貯金」を提案します。

例えば、毎月3万円を貯めたいと思ったら、お給料をもらった時点で、天引きのように貯蓄したい3万を別口座に移すのです。

「貯まらない」という方は、必要なお金をその都度引き出すなどして、残ったお金を貯めようとする傾向があります。

「『先取り』するか『後取り』するか、あまり変わりがないのでは?」

と思われるかもしれませんが、「先取り」してしまえば、ついつい使いすぎて、貯金する分のお金に手をつけてしまう可能性はぐんと低くなります。

また、「先取り」をして残ったお金は、その範囲内でやりくりする限り「何に、どのように使ってもいい」と思えるので、

「一円でも安いものを買わなきゃ!」

と考える必要もなくなります。

まったく貯められていない方は、いきなり大きな目標を立ててしまうと挫折しやすいので、毎月3000円など無理のない金額から始めていきます。

まずは当面の生活費 (月々の生活資金×6か月~1年分) を確保できることを目標にするといいそうです。

「固定費」から見直す―スマホは格安SIM・保険は掛け捨て

月々の支出を減らそうと、複数のスーパーを比較してなるべく安い値段で食材を買うなど、日々努力を重ねている方もいらっしゃるかと思います。

しかし、どうしても節約できる金額が小さいので、労力の割には家計全体に及ぼすインパクトも弱いです。

お金を貯めたいと思うなら、家計に占める割合が大きな固定費」から見直すといいと著者はいいます。

「固定費」というのは、家賃・保険料・通信費 (基本使用料の部分) などです。

「そんなに簡単に減らせないのでは?」

と思うかもしれませんが、一度見直してしまうとその効果が長く続き、金額自体も大きいので節約効果は高いです。

具体的には、「スマホの契約を大手キャリアから格安SIMに乗り換えること」、「保険の内容を見直すこと」があげられていました。

私自身も半年ほど前にスマホを格安SIMに変えたのですが、特に不便なこともなく、夫婦で1万円弱、通信費を抑えられました。

保険もたくさんの商品があって迷ってしまいますよね。

貯蓄型の保険もありますが、「まとまったお金が必要」というときに、途中でお金を降ろすことができないといったデメリットもあります。

著者はシンプルに、貯蓄がしたいなら貯金、保険は掛け捨てをお勧めしていました。

月々の支出を減らすために、安易に「夫(パートナー)のお小遣い」をカットするのはよくないそうです。

手っ取り早そうですが、最終手段ということで(笑)。

子どもの学費について

教育費はどれくらい用意する?

子どもの教育費に、一人当たり700~2000万円掛かることは事実ですが、それはあくまでトータルで掛かるお金。一度に必要になるわけではないので、その額をゴールに貯蓄する必要はないそうです。

公立か私立か、大学に行くのか否かによっても掛かってくる費用は大きく違ってきますが、著者はまず“「大学費用、受験費用や塾代を準備する」”ことを目標にするといいのではないかと言います。

大学進学の予定がなくても、急に考えが変わることもあり得ます。

貯蓄があれば子どもの教育に思いの他費用が掛かったとき (中高の部活動や、想定外に私立高校に行くなど) にも利用することができます。

本書で引用されていた文部科学省のデータによると、私立(文系)大学の場合、約400万円掛かるので、一つの目安にできそうです。

奨学金は借りない方がいい?

奨学金に関しては、借りないで済むならそれに超したことはありませんが、“「借りたら不幸。子どもに申し訳ない……」みたいに思わなくていい、”そうです。

海外では、大学に進学する費用を自分で用意するのはポピュラーですし、奨学金制度があるからこそ大学に進学できたという方も多いと思います (私もその一人です)。

とはいえ、奨学金への考え方は人それぞれ、「借金」と考える方もいるので、夫婦で価値観を確認しあう必要はありそうです。

頑張らなくても200万円貯める方法

まったく頑張らなくても200万円を貯められる方法があると言います。それは、「毎月の児童手当に手をつけずに、別口座に貯めていく」といものです。

現在、児童手当は3歳未満で月1万5千円、3歳以上から中学生で月1万円給付されています。その総額が、なんと約200万円にもなるそうです!

先ほどの私立大学(文系)に進学する際の費用400万円の内、子ども手当だけで200万円貯められるとなれば、なんとかなりそうな気がしてきますよね。

(※3歳以上~小学校終了前:第三子以降は1万5千円)

賃貸か?持ち家か?は「そこに住み続けたいか」で判断

賃貸か?持ち家か?―悩みますよね。

持ち家のメリットとして次の3つがあげられていました。

  1. 「住宅ローン控除がある」、
  2. 「完済後、住宅費にほとんどお金がほとんどかからない」、
  3. 「団体信用生命保険 (団信) があるため、その他の保険料を抑えられる」
岡ゆみ著『今からできること、ぜんぶ教えます!子育て中の不安がなくなるお金の超基本』株式会社 青春出版(2022年)

本書には書かれていなかったのですが「精神的な満足感」も大きいのではないかと思います。自分の城を持ったという感覚です。

逆にデメリットは、次のようなものがあります。

  1. 「引っ越ししたり、売れない場合もローンの支払が続く可能性がある」、
  2. 「購入価格だけでなく、金利や固定資産税などの支払いがある」、
  3. 「修繕費用などは自己負担になる」
岡ゆみ著『今からできること、ぜんぶ教えます!子育て中の不安がなくなるお金の超基本』株式会社 青春出版(2022年)

賃貸のメリット・デメリットについては記載がなかったのですが、なんといってもメリットは自由度が高いことだと思います。

家族構成の変化に合わせて住み替えていくこともできますし、住む場所もその時々の状況によって変えていくことができます。

逆にデメリットは、住み続ける限り賃料が発生することでしょうか。

とはいえ…。

それぞれ一長一短であるため、どちらがベターなのか分からなくなってしまいます。

著者は「損得」よりも“「そこに住み続けたいか」で考える”といいと言います。

本書では、住宅を購入する場合に向けて、

  • 住宅ローンの金額の目安
  • 夫婦で借りるメリットと注意点
  • 頭金は必要か?
  • 繰り上げ返済はしたほうがいいか?

などについても詳しく書かれていました。

老後のお金について

一時期話題になった「老後2000万円問題」。

金融庁が発表した「老後30年間で2000万円が不足する」という報告書は、当時のマスメディアが大きく取り上げたこともあり、SNSで大炎上しました。2019年のことだそうです。

「2000万」という数字だけを聞くと、びっくりしてしまいますが、受け取れる年金の額や、それまでの貯蓄額、どこに住んで、どんな暮らしがしたいかによっても、老後に必要となるお金は変わります。

つまり、「老後2000万」というのは、ある人にとっては多すぎるし、ある人にとっては少なすぎる可能性が高い。そうではなく、

“「私の場合はいくら必要?」”

と考えることが大切です。

そこで、著者は私たちがまずやるべきことを示してくれています。

受け取れる年金の額を確認する

  1. 「どのくらい生活費がかかりそうなのかを知っておく」
  2. 「自分の受け取れる予定の年金見込み額を知っておく」
岡ゆみ著『今からできること、ぜんぶ教えます!子育て中の不安がなくなるお金の超基本』株式会社 青春出版(2022年)

この2つが分かれば、今の見込みの年金だけで生活ができるのか知ることができます。

住宅ローン・保険の払い込み期間などもチェックします。

年金を受給できる年齢までに支払いが済んでいれば、その費用は用意する必要がなくなるからです。

将来受け取れる年金見込み額は「ねんきん定期便」で確認します。

毎年誕生日月に日本年金機構から送られてくる書類ですね。

 50歳未満の方は「ねんきん定期便」には、「これまでの保険料納付額」を基に試算された年金額が記載されているため、将来の年金見込み額を日本年金機構の「ねんきんネット」にログインして試算してみましょう。

※公務員の方は「ねんきんネット」では確認ができないため、共済組合に確認する 岡ゆみ著『今からできること、ぜんぶ教えます!子育て中の不安がなくなるお金の超基本』株式会社 青春出版(2022年)

年金を受け取るためには、いままでの年金加入期間などを基にした「受給資格期間」が10年以上必要になるので、合わせてチェックしてみてください。

老後の資金準備の仕方5つ

著者は、老後の資金準備の仕方は5つ程あると言います。

  1. 貯金する
  2. 月々400円でもらえる年金額を増やす(付加年金)
  3. 投資や制度を使い、増やしながら貯める(「つみたてNISA」や「iDeCo」、小規模企業共済を活用する)
  4. 年金をもらう時期をずらす
  5. 働く期間を長くする
岡ゆみ著『今からできること、ぜんぶ教えます!子育て中の不安がなくなるお金の超基本』株式会社 青春出版(2022年)

これらの方法のどれかを使って、あるいはうまく組み合わせて資金を準備していきます。

65歳でもらう予定だった年金を、5年遅らせて70歳からの受取りにするだけで、年金額が42%も増えるそうです。

〈5〉の働く期間を長くするというのも、ありだと思います。

月々5万円でも収入が得られれば、余裕が出てくるという方も多いのでしょう。

そのために「健康でいること」も大事かもしれません。

おわりに

今回は、岡 ゆみ著『今からできること、ぜんぶ教えます!子育て中の不安がなくなるお金の超基本』をご紹介しました。

この記事では扱えませんでしたが、子育て世代に向けた様々な「知っておくといい制度」も多数紹介されています。

なんとなくでも「そういう制度がある」ということを知っていることは、安心感に繋がります。

長期的な視点を持って、将来必要になるお金の見通しをつけ、家計を整理して、貯蓄がしっかりできるようになれば、結果的に「今しかできないこと」に十分なお金を掛ける余裕が生まれると感じました。

この本を参考に、私も家計の見直しをさらに進めていきたいと思います。

興味を持っていただけたら、ぜひ実際に本書を手にとってみてください。

この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。最後まで読んで頂いてありがとうございました。

プロフィール
ひなた

・1989年生まれ
・2児(5才・7才)のママ
・リハビリの専門職
・趣味は読書&散歩

このブログでは、子育てや仕事、生き方に迷ったとき私を支え、活力となってくれた本をたくさんご紹介していきます。

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