おやすみ前に読みたい絵本『14ひきのこもりうた』感想・おすすめポイント 

本の紹介

ねむねむ ねむのき はを とじて、

ねむねむ やまばと めを とじる。

おやすみ おつきさん とおろりろ…。

今回は、いわむらかずお さく『14ひきのこもりうた』をご紹介します。

みんなでお風呂に入って、晩ご飯を食べて、おしゃべりして…。

ねずみの14ひきかぞくの「おかえりなさい」から「おやすみ」までの日常を、そっと切り取って見せてくれるような、ほのぼのとした魅力のある絵本です。

ぜひ、おやすみ前にお子さんと一緒にページをめくってほしいと思います。

この記事では、本書の基本情報に加え、内容(あら)紹介(すじ)と感想・おすすめポイント、14匹のシリーズの魅力についても書いていきます。

基本情報

作者  :いわむらかずお

対象年齢:3~5歳

ページ数:32頁

初版出版:1994年7月10日

出版社 :童心社

『14ひきのこもりうた』のあらすじ

だんだんとお日様が傾いていく中、きょうだい達は順々にお風呂です。

パチパチまきがはぜる音を聞きながら、温かい湯船につかります。

お風呂の後は、みんなで晩ご飯。「きのめのシチュー」をおいしくいただきます。

はをみがいて、おしっこをして、寝支度を整えたら、楽しみにしていた絵本の時間。

今日はどんなお話がきけるのかな?

おかあさん・おばあちゃんのこもりうたを聴いて、スース―寝息を立てるきょうだい達。

今日も楽しかったね「おやすみなさい」。

『14ひきのこもりうた』の感想・おすすめポイント

『14ひきのこもりうた』のおすすめポイントはたくさんあるのですが、今回は次の3つについて書いていきます。

  • 14ひきかぞくと一緒に、たのしく「おやすみ前の習慣」が身につく。
  • 裏表紙に楽譜がくふがあって「こもりうた」を実際に歌ってみることができる。
  • 「てんとうむし」探しがたのしい。

それぞれ、詳しくみていきます。

「おやすみ前の習慣」が身につく

『14ひきのこもりうた』は、夕方から夜にかけての14ひきかぞくを描いた絵本です。

擬人化されたねずみ達の生活は、私たちの送る日常とほとんど変わりがありません。

「お風呂に入る→晩ご飯を食べる→食休み→歯磨き→トイレ→絵本を読む→こもりうたを聴きながら寝る」

といった、普段子ども達も送っている「おやすみ」までの一連の流れを、絵本の中で繰り返し体験することができます。

「歯磨きして、おトイレして、ねずみさんと一緒だね。」

「ねずみさんは、何の絵本読んでるのかな?」

と話しかけながら、「おやすみ前の習慣」を楽しく身に着けるのに役立ちました。

作中の「こもりうた」を歌ってみることができる

おかあさん・おばあちゃんが歌っているこもりうた。

どんな曲なのか気になっていたら、裏表紙に楽譜が載っていました。

「ママ、ピアノ弾ける?これ (こもりうた) 弾いてみて?」

という子ども達のリクエストに応えて、チャレンジしてみることに。

小学生の頃にピアノを習っており、かろうじて楽譜は読めたため、メロディーの部分はなんとか弾くことができました。

娘も弾きたがったので、

「ラソラソ、ラソファソ…」

と音符 (♩)の上に、「ドレミファソラシド」の音階を書いてあげると、特に音楽の教育をうけていない娘 (当時は年中さん) でも、曲の冒頭部分だけはマスターできました。

曲のメロディーが分かると、お話の中で「こもりうた」を歌うことができるようになり、これもまた楽しかったです。

「てんとうむし」探しがたのしい

『14ひきのこもりうた』では、ぜひ「てんとうむし」を探してみてください

リビングや寝室 (2階、3階のロフト)でのシーンでは、必ず赤と黒のてんとうむしが2匹、どこかに描かれています。

この「てんとうむし探し」けっこうハイレベルです。

子ども達は夢中になって探して、悪戦苦闘あくせんくとうした末、見つかると本当に喜んでいました。

この記事を書くにあたって、改めて「てんとうむし」を探してみたのですが、本当にちっちゃく描かれているので、大人の私でも見つけるのが大変なページもありました。

お子さんがお話を聞くことを好まなかったとしても「絵さがしの絵本」として楽しめると思います。

14ひきシリーズの魅力

※以降の記事は、「春に読みたい絵本『14ひきのぴくにっく』感想・おすすめポイント」と一部同様の内容を記載しています。

『14ひきのひっこし』『14ひきのあさごはん』が2冊同時に出版され、シリーズがスタートしたのは1983年。

発行から40年以上が経っていますが、その魅力はせることなく、今でも大型本屋さんに並ぶ超ロングセラーです。

作者は、童心社のホームページの中で、

「雑木林の中の家族の情景」それが自分にとっての「原風景」

と語っているとおり、『14ひきシリーズ』を読むと、「自然の中で家族と一緒に慎ましく暮らす幸せ」「自然の恵みに感謝しながら生きることの大切さ」などが伝わってきます。

→みなさんへのメッセージ 14ひきの作者より

先に紹介した『14ひきのこもりうた』にも重なる部分がありますが、14ひきシリーズの魅力を、

  • 春夏秋冬、四季の変化や季節の行事を感じられる
  • お話を補足してくれる、細かく描きこまれた絵

という2点にまとめてご紹介します。

春夏秋冬、四季の変化や季節の行事を感じられる

『14ひきのせんたく』では、夏の晴れた日に川へ洗濯に行き、みんなで川遊びをします。

秋には『14ひきのおつきみ』。かぞくみんなで木にの上に作ったお月見台に登って、真ん丸に輝くお月様にお団子を供え「たくさんの みのりを ありがとう」と伝えます。

『14ひきのもちつき』では、もち米を蒸かして、きねと臼をつかって昔ながらの餅つき。鏡餅かがみもちもこしらえて、お正月を迎える準備をします。

春夏秋冬、移ろいゆく自然と「その季節ならではの遊びや行事」が描かれているので、絵本の中で日本の四季を深く味わえます。

お話を補足する細かく描かれた絵

絵が美しいだけでなく、ストーリーを補足するように描かれてるのも特長です。

例えば、今回ご紹介した『14ひきのこもりうた』では、食休みのシーンで末っ子の「とっくん (10)」がすでに眠そうな顔です。

次のページでは、おかあさんに連れらえて、みんなより一足早く寝支度をはじめます。

寝室でお話しを読んでもらった後に、一番最初に寝てしまうのも「とっくん(10)」です。

「文」では書かれていないけれど、「絵」でそのシーンがより詳しく表現されています。

一般的な絵本と違い、「文」がページ下の白い部分に書かれていて「絵」を邪魔していないのも、作者のこだわりなのかな、と思ったりもします。

おわりに

今回は、いわむらかずお さく『14ひきのこもりうた』をご紹介しました。

「14ひきシリーズ」の中でも、特に好きな作品で、夜寝る前に繰り返し読んでいます。

文はすべて「ひながな」で書かれているので、年長さんになった娘は、自分で読もうとがんばっているとことです。

かなり高い確率で、みなさんの街の図書館にもあると思うので、お時間のある方は探して試してみてください。

もし気に入ったらシリーズで購入するものもおすすめです。プレゼントとして贈っても喜ばれると思います。

この記事が何か少しでもお役に立てれば嬉しいです。最後まで読んでいただいてありがとうございました。

プロフィール
ひなた

・1989年生まれ
・2児(5才・7才)を育てるワーママ
・本が大好き 
 年間読書量:90冊
 ※Audibleでの【耳読書】含む

このブログでは、子育てや仕事、生き方に迷ったとき私を支え、活力となってくれた本をたくさんご紹介していきます。

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