『ほんとうは楽しい 仕事&子育て両立ガイド』【解説・感想】

本の紹介

今回は、小栗ショウコ/田中聖華 『だれも教えてくれなかった ほんとうは楽しい仕事&子育て両立ガイド』をご紹介します。

この作品は、子育てをしながら前向きに仕事を頑張りたい女性を応援してくれる本です。

やりがいのある仕事を続けながら、家庭を両立させる具体的な方法や考え方を

「こういうとき、どうするの?」

というシチュエーション別にていねいに教えてくれます。

  • キャリアをストップしたくないから、子どもを産むのをあきらめかけている。
  • 仕事と子育ての両立がうまくいかず悩んでいる。
  • 出産を機に一度退職したけれど、また働きたいと思っている。

という女性にお勧めの一冊です。

本書を読めば、自分らしくイキイキと働きながら子育てをすることに、積極的になれるはずです。

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本書はこんな本

本書は、認定NPO法人あっとほーむ代表 小栗ショウコさんと、松陰大学専任講師 田中聖華さんの共著です。

小栗さんが代表を務める「あっとほーむ」は、働く女性のための「保育園へのお迎え付き 夜間保育&学童保育所」。

多くの保育園・学童保育とは異なり、子どもを夜9時まで預かり、夕飯・お風呂なども提供しているそうです。

まるで「第2の家」のようですね。

田中さんは、あっとほーむを利用していた母親の一人で、大学で経営文化学部専任講師をされています。

小栗さんは、会社員時代「子どもができたら辞めるのが当たり前」という風土に嫌気がさし、働きつづけることをあきらめたそうです。

なんとか、女性が安心して働き続けられる環境をつくれないか?という思いから、「あっとほーむ」は生まれました。

本書からは「自分らしく働く女性を一人でも増やしたい」「女性が仕事も子育ても楽しんで、充実した人生を歩んでほしい」という想いが溢れています。

目次は次の通りです。

  • 1章 働く女性の現状
  • 2章 妊娠&出産、職場復帰をスムーズに
  • 3章 子どもが小学生になったら
  • 4章 あなただけのキャリアを創っていくために
  • 5章 親も子も家族みんなが幸せに
小栗ショウコ/田中聖華著『だれも教えてくれなかったほんとうは楽しい仕事&子育て両立ガイド』株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン(2013年)

この記事では「章」を横断して、繰り返し語られているところや、「知れてよかった」と思った内容を厳選してお伝えします

仕事と子育て両立のコツ

 たくさんの働くママを見てきた私 (小栗) から伝えられる、仕事と子育ての両立を楽しむポイントは3つあります。

  • 「ママが働いている子どもはかわいそう」と思わないこと
  • できないことは人に頼む勇気を持つこと
  • 職場の人の協力を得ること
小栗ショウコ/田中聖華著『だれも教えてくれなかったほんとうは楽しい仕事&子育て両立ガイド』株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン(2013年)

私自身もワーキングマザーなのですが、仕事をしながら子育てしていると、

「私が働いているから、子ども達に寂しい思いをさせているのではないか…」

といった、「罪悪感」にさいなまれることがあります。

ですが、私のような感覚を持つ女性は、決して少なくないはずです。

著者は、次のように述べています。

 そもそも、ママが働いている子どもがかわいそうかどうかなんて、周りが決めることではないですよね。 子ども自身がどう思っているかがその子にとっての答えだし、その答えもその子の性格にとても依拠していると思います。

 自分が働いているせいで、子どもに寂しい思いを我慢させているのではないか、と罪悪感を持ちながら仕事をするのではなく、子どもが寂しくならない環境をきちんと作ってあげるほうが、子どもは満足するのではないでしょうか。

小栗ショウコ/田中聖華著『だれも教えてくれなかったほんとうは楽しい仕事&子育て両立ガイド』株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン(2013年)

「あっとほーむ」を利用していた中高生へのインタビューでは、ママが働いていることを否定的・悲観的に捉えていた子は少ないようです。

「私が働いているから…」とネガティブになるのではなく、「子どもが寂しくならない環境」を用意することを考える。

その際に、自分にできないことは素直に人にお願いしたり、職場の人にも協力を求めたりと、周りの人を上手に巻き込んでいくことが、「仕事と子育てを楽しむ」コツであるようです。

預け先はこう考える

どのように育ってほしいのか?

(前略) 自分が働くことをちょっと横に置いておいて、子どものことだけを考えてみてください。 どんなふうに成長して、どんな大人になってほしいですか? (中略) 小学校入学まではのびのびと自然の中で遊ばせたい? 小学校入学までに、ある程度教育を受けさせたい? それとも、地域の同年代の子どもたちと仲良く過ごすことを重視する? 異年齢同士で過ごす経験もいいですよね?

小栗ショウコ/田中聖華著『だれも教えてくれなかったほんとうは楽しい仕事&子育て両立ガイド』株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン(2013年)

「モンテッソーリ」「シュタイナー教育」など独自の教育法を取り入れているところもあるそうです。

保育時間や、送迎のしやすさなど、ママ側の都合もちろん大切ですが、

「子どもに、どういった環境で過ごしてほしいか」

は、預け先を考える上でとても重要だと思います。

子どもと「預け先」の “相性” もあると思いますので、よく検討していきたいですね。

保育園は「認可外」も選択肢に

保育園に預けたいのに受け入れ先がない…。

実家から遠く離れて暮らす場合、預け先を確保できなければ、仕事をつづけること自体が難しくなってしまうため、ママにとっては深刻なテーマです。

だからこそ、“積極的に、慎重な、そしてきめ細やかな情報収集”が大事だといいます。

ここで「認可保育園」以外の選択肢を持つと、預け先の候補が広がります。

 残念ながら多くの人が認可外保育園と、あまりよろしくないイメージの無認可・無届保育園をごちゃまぜにしているので、どうしても「認可」保育園にいれたい!という考えに陥ります。 認可保育園とは、実は行政に届け出をし、その設置基準・運営基準を満たした保育園です。届け出とはまったく関係なしに個人的な預かりをしている無認可・無届保育園とはその内容が違います。

小栗ショウコ/田中聖華著『だれも教えてくれなかったほんとうは楽しい仕事&子育て両立ガイド』株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン(2013年)

保育時間や園庭の規模など、いろいろな条件で「認可外」になっているところもあるそうです。

 認可保育園、認可外保育園、家庭福祉員 (いわゆる保育ママ)、夜間保育園、ベビーシッター、ファミリーサポートなど、今はたくさんの選択肢があります。 「何がなんでも認可保育園」と決める前に、自分の働き方に合う保育園、子どもに与えてあげたい環境という視点で、もう一度小学校入学までの環境を考えてみましょう。

小栗ショウコ/田中聖華著『だれも教えてくれなかったほんとうは楽しい仕事&子育て両立ガイド』株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン(2013年)

「今住んでいる地域には通わせたい施設や利用したいサービスがないけれど、他の地域にはある」という場合、思い切ってその地域に引っ越してしまうのもアリだといいます。

預け先をたくさん用意

子どもが病気になって保育園に預けられないとき、あるいは保育時間外でどうしても外せない用事ができてしまったときなど、予め複数の預け先を確保しおくといいそうです。

私の周りでうまく両立している女性は、不確かなことに悩むのではなく、それが起こったときの対応方法を一つや二つではなく、もっとたくさん用意しています。念には念を入れて。「子どもの預け先の保険」ともいえます。

小栗ショウコ/田中聖華著『だれも教えてくれなかったほんとうは楽しい仕事&子育て両立ガイド』株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン(2013年)

例えば、最初は実家の母にお願いしてみる、その次はファミリーサポートさん、それも難しいなら馴染みのベビーシッターさん、といった具合です。

ただ、子どもを見てくれれば誰でもいいというわけではなく、“ママがそばにいられないことで起こる子どもの不安を少しでも減らす環境を作ること”が大切だそうです。

確かに、子どもが体調を崩したときなど、一度も行ったことがない施設、会ったことがない人に預けられたら、ただでさえ体調が悪い子どもは、余計に不安になってしまうかもしれませんよね。

いざというときに、子どもが安心して過ごせるような預け先をたくさん準備しておくことが大切です。

年齢で変わってくる「課題」

幼児期は、子どもに手が掛かるのは覚悟の上だし、周りからも「子どもが小さいから大変だよね」と理解を得られやすいかもしれません。

ですが、当然ながら小学校に入学しても子育てが終わるわけではなく、いろいろな “壁” が立ちはだかります。予めどんなことが起こるのか知っておけば心構えができますね。

小1の壁

保育園では早朝から遅くまで子どもを預けられましたが、小学校はそうはいきません。

通常、5時間授業で2時30分頃に下校した後は、学童保育やキッズクラブを利用すると思いますが、最長19時までしか利用できない所がほとんどです。

学童保育が閉まるまでにお迎えに行くか、それ以降の預け先を確保しなければなりません

また、登下校の見守りやPTA活動など、学校運営における親の役割が多いのも、時として負担になります。

さらには、子ども自身の「ストレス」も考えなければなりません。

保育園時代とはガラッと環境が変わって、小学校入学直後は、体にも心にも負担がかかる時期です。

実際に経験しましたが、機嫌が悪いな~と思っていたら、いきなりベッタリ甘えてきたりと、それに付き合う私も一苦労でした。

このように、様々な課題が一気に押し寄せてくるのが 「小1の壁」です。

小4の壁

4年生は、学校での活動も増え、勉強もレベルアップしていきます。

周囲からの期待も大きくなりますが、4年生になったからといって急に何でも一人でできるようになるわけではないので、プレッシャーを感じる子もいるのだとか。

また、友達との関係にも変化がでてくる時期で、今まで経験したことのない人間関係の渦にストレスを感じることも…

友達との連帯関係が強まる一方で、周りの大人(先生や家族)に不満をぶつけてくることもあります。

さらに、学童を退会しなければならない場合もあり、そうなると「放課後の居場所をどうするのか」に悩まされます。

反抗期・思春期

小さい内はかわいかった子どもも、反抗期・思春期で、親とまったく口をきかなくなったり、時には引きこもりや不登校、手がつけられなくなるくらい「やんちゃ」になるなんてことも。

著者は、年齢で区切らない子育てをしてきて、“子どもには幼いころから近くで見守ってくれる他人の存在が重要”と気づいたといいます。

親には言えないことも、小さい頃からよく知っている大人には相談できることがあるからです。

小さな内から、親自身が信頼できる人を子どもの周りに置くことが大切とのことです。

パパとの関係を考える

 一番身近なのに、場合によっては、一番難しい「夫との関係」は、やはり仕事と子育てを両立していく上で一番大きなテーマです。

ママは、(中略) いつも子どものために何かをするという意識が強くなります。 ですから、どうしても、直接的に子どもと関わる部分で代わりになれるくらいの協力を、つまり、ママがいなくても、いる時と同じ状況で子どもが過ごせるようにパパにもしてもらいたい、と思ってしまうのです。 ところが、ほとんどのパパは、 (中略) ママの代わりは「できない」と思っているし、実際に「なれない」と思っています。

小栗ショウコ/田中聖華著『だれも教えてくれなかったほんとうは楽しい仕事&子育て両立ガイド』株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン(2013年)

ママの「せめてこれくらいはやってほしい」という期待と、現実のパパの家事・子育てスキルにギャップがあった場合、「期待外れ」になってしまいます。

本書では、子どもの世話をパパに任せてお出かけするとき、

ママ:「お昼は、ウインナーと野菜があるからそれをおかずにして~」

と頼んだら、ウインナーまるまる一袋分を子どもに食べさせてしまった、なんて仰天エピソードも紹介されていました。

ママが思っている以上に、パパが気付いていないことも多いので、しっかりと説明し、具体的にやって欲しいことをお願いするといいそうです。

その上で感謝を忘れずに、しっかりと言葉で伝えるようにします。

ですが、子育てへの「関心度」や「協力度」って、本当にパパ次第かなって思います。

中には「仕事を続けるのは自由だけど、僕はあまり協力できないよ」みたいなことを、サラッと言ってのけるパパもいるようです。

そういうパパの意識を変えようとするのは、なかなか難しいですよね。

著者はあまりお勧めしていませんが、「夫はあてにしない、一人で頑張る」と腹をくくってしまうドライさも時には必要なのかもしれません。

おわりに

いかがだったでしょうか?

今回は、『だれも教えてくれなかった ほんとうは楽しい仕事&子育て両立ガイド』をご紹介しました。

一昔前に比べ、女性が社会で活躍することを後押しする流れはでてきましたが、子育てしながら働くとなると、ママ側に多くの負担がかかるのが現状だと思います。

ですが、本書を読んでいると

「ぜったいに仕事を続けたい

という強い気持ちがあれば、「解決のための方法はいろいろとある」と勇気づけられます。

興味を持っていただけたら、ぜひ実際に本書を手にとってみて下さい。

この記事がなにかお役に立てればうれしいです。最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

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