今回は、石田勝紀著『子どものスマホ問題はルール決めで解決します』という本をご紹介します。
子どもがスマホを持つというと、そのマイナス面ばかりが強調されがちですが、上手に使えば少ない時間でより多くの知識をえられ、効率的に勉強ができるといったプラス面も。
この作品は、子どもがスマホのメリットを充分に活かし、安全に使いこなしていくためルールづくりについて教えてくれる本です。
保護者と著者の対談形式で書かれているので、分かりやすくサクっと読めました。
- 子どもがスマホばかり触っていて困っている
- スマホをどう持たせたらよいか不安がある
という方にお勧めの一冊です。
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スマホデビューのタイミング
「スマホをいつから持たせたら良いのか?」
多くの親御さんが悩むポイントかと思います。この質問に対して著者は、
“子どもが持ちたいと言ってきたときでしょうね”と答えます。
「え?それでいいの?」って思いますよね。
しかし、「なんとなく中学生から」とイメージする時期はあっても、それに根拠があるかと問われれば、自信がないという方がほとんどではないでしょうか。
明確な方針があるのなら、それを貫き通すのも一つの選択です。
ですが、そうでないなら子どもが持ちたいと思ったタイミングで前向きに検討するのも悪いことではないと言います。
私はね、スマホをいつ持たせるかはそれほど重要な問題だと思っていないんです。
いちばん大切なのは持つ時期じゃなくて、「どう持つか」ということなんです。
石田勝紀著『子どものスマホ問題はルール決めで解決します』株式会社主婦の友社(令和4年)
大切なのは「スマホをいつ持つか」ではなく「スマホをどう持つか」。
そこで「ルール決め」が重要になってきます。
スマホには、SNS・アプリ・ネット・ゲームなど、つい触り続けてしまいたくなる魅力的なコンテンツが盛りだくさんです。
だからこそ、子どもが適切な距離感でスマホと付き合っていくためには、ある程度のルールが必要です。
では、どのようにルールを作り、運用していけばよいのでしょう。
ルール決めと運用がトラブル回避のポイント
ルール決めは最初が肝心
著者は、スマホを持たせるときには最初が肝心と言っています。
スマホを持つときって、親が唯一、優位に立てるときなんです。子どもは持ちたいから、なんでも「守る」「できる」と言いますよ。話し合いはなごやかに進む。だけど持ったあとにルールを決めようとすると、今度は子どものほうが優位になっちゃう。規制するのは大変です。
石田勝紀著『子どものスマホ問題はルール決めで解決します』株式会社主婦の友社(令和4年)
基本的に多くの子は、スマホを持ち始めると夢中になり、常識的に使いこなすことはできないそうです。
ルールを決めようとしても、すでに自分のものとして使い始めてしまっているので、親の言うことなんて聞きません。
そうなってしまう前に、親が優位に立てるタイミングである購入時(購入前)にルールを決めることが大切です。
すでに子どもが好き放題にしているなら、
「きわめてオオゴトである!」
という雰囲気で家族会議などを開き、ルールを新たに決め直すしかないと言います。
ルール決めのときに親が上から目線になってはいけない
ルールを決めるとき、親が一方的に言い渡してしまうのは良くないそうです。
最初に意見を言うのは子どもにします。
そこで、とんでもなくゆるい条件を聞かせれたとしても、「なぜ、そう思うのか?」をきちんと聴いていきます。
親は満足だけど子どもが納得していないルールは、絶対に守られません。約束を破られるたびに親はイライラする、子どもはなんとか抜け道を探そうとする。それではルールの意味がないと思いませんか?
(前略) 親が決めたルールにすると、うまくいかないときに親の責任にしますよ。ルールが悪い、こんなの守れない、って。最初に子どもが意見を言って、親も言って、お互いに根拠や理由を議論して決めれば、子どももルール作りに参加しているわけです。親から一方的に決められたルールではない。
石田勝紀著『子どものスマホ問題はルール決めで解決します』株式会社主婦の友社(令和4年)
もし自分が子どもの立場であったら、確かに、親に一方的に言い渡されたルールより、話し合って決めたルールの方が納得感があるし「自分で決めたから守らないと」という気持ちになりますよね。
そういった意味でも「話し合い」は重要なようです。
「厳しいルール」ではなく「細かい」ルールを決める
子どものスマホ問題の多くは、「ルールの決め方が大まかすぎること」が要因となっています。
みなさん、ルールの決め方が大ざっぱすぎるんです。ざっくり「夜9時まで」としか決めないから、「友達に勉強の相談されたら無視できないじゃん!」と言われると、なし崩し的にルール無視を受け入れちゃう。
石田勝紀著『子どものスマホ問題はルール決めで解決します』株式会社主婦の友社(令和4年)
すべてにおいてきっちり抜け道なくルールを決めることは難しくても、なるべく様々な場面を想定して細かいルールを決めておく。
もし運用してみて不都合が生じるなら、ルールそのものを見直してもいいと言います。
ルールの例はこんな感じです。
- 使用時間はLINE・ゲーム・動画視聴・ネットを合わせて一日2時間まで、休日は3時間まで。
- スマホの使用は夜9時まで。塾のある日は夜9時半まで。
- 使うのはリビング限定。それ以外の場所には持ち込まない。
- スマホの画面にロックは掛けない。
- SNSに写真を投稿しない。他人への悪口を書かない。
かなり細かいと感じる方もいらっしゃると思います。
ですが、これらをしっかりと守ることができれば、「スマホ依存」や「ネットトラブル」といった大きな問題に発展することは、まずないんじゃないかと思います。
ルールを破ったときのペナルティも決めておく
「しっかりと話し合って細かいルールも決めたし、これでもう安心」
と思いきや、ルールはほぼ100%の確率で破られると著者は言います。
そのために、ルールを破ったときのペナルティも決めておきます。このとき、段階的にペナルティを厳しくしていくとよいそうです。
イメージとしては、下記のような感じです。
- スマホは夜9時まで。破ったら次の日は夜の8時まで。
- ルールを3回破ったら、一日スマホを没収。
さらには、ペナルティを実行して、子どもにキレられた場合にどのように対処するかも決めておくと良いと書かれていました。
子どもにスマホを持たせるのって、本当に大変 (笑)
まとめ
今回は石田勝紀著『子どものスマホ問題はルール決めで解決します』をご紹介しました。
ポイントを整理すると、
- タイミングはスマホを与える前。
- 子どもの考えや思いを受け止め、十分に話し合った上で決める。
- ルールが破られた場合のペナルティも決めておく。
- うまくいかなければ、ルールそのものの見直しも検討する。
本書では他にも、「スマホを持ったら勉強しなくなった」「オンラインゲームにどっぷりハマった」「SNSでトラブルになった」などの問題に対しても解決のヒントが多く示されていました。
どれも親御さんからのリアルなお悩みに、著者が意外な視点も交えつつ分かりやすく答えています。
興味を持っていただけた方は、ぜひ実際に本書を手に取ってみてください。
この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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