かぜのたみ著『低コスト生活』少ないものとお金で満ち足りた暮らし

生き方、働き方

今回は、かぜのたみさんが書かれた『低コスト生活 がんばって働いている訳じゃないのに、なぜか余裕ある人がやっていること。』をご紹介します。

かざのたみさん といえば、「暮らしと自分をととのえる」をテーマとした「かぜたみラジオ」というチャンネルが人気の YouTuber。

数年前まで中小企業のごく普通の会社員だったそうですが、いまはSNSの更新や執筆活動など “全く頑張らない (頑張れない) フリーランス” として暮らしています。

『低コスト生活』は、こんな方にお勧めです。

  • 会社員が性に合わないけれど、会社を辞めるのは怖い。
  • 心満たされる生活を送りたい。
  • お金をためて、心と暮らしに余裕をつくりたい。

「頑張って働いているわけではないのに、余裕がある」とは、一体どういうことなのか?

この記事では、かぜのたみ さんの月6万5300円の小さな暮らしをみた上で、働き方や低コスト生活を送るヒントをご紹介します。

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※『低コスト生活 がんばって働いている訳じゃないのに、なぜか余裕ある人がやっていること。』は、聴き放題の対象作品です。

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月7万弱で心が満ちる「低コスト生活」とは?

「低コスト生活」とは?

最初に、著者が具体的にどのような暮らしを送っているのかみていきたいと思います。

  朝、周りが明るくなってきたら自然と目が覚めて、私の1日がスタートします。 洗面と、筋トレなどで軽く体を動かして、ささっと掃除や洗濯、食事の準備を済ませたら、あとは自分の調子や気分、その日の天気や季節に合わせて、「今日はあれしようかなぁ、これしようかなぁ……」と決めていきます。

かぜのたみ著『低コスト生活 がんばって働いている訳じゃないのに、なぜか余裕がある人がやっていること。』朝日新聞出版(2023年)

「やらねば」ということはほとんどなく、夕方にはだいたいのことが終了しています。夜は読書をして過ごすか、眠ければあっさり就寝するそうです。

ライフワークとしてYouTubeへの投稿や執筆活動をしつつ、自由でマイペースに日々を過ごしています。

そんな著者の一月の生活費は次の通り。

家賃 約5万円 水道光熱費・通信費 約8600円 

食費 約3900円 交際・娯楽費 約2800円

服飾・日用品費 0円 →合計 約6万5300円

驚きの7万円を切っています。

これだけ生活費を抑えているとなると、さぞひもじい生活なのかと思いきや、全くそんなことはないそうです。

少ないものとお金で満ち足りた暮らし

  「小さく暮らす」というと、「いつも買っていたお気に入りのパンを買わない」というような、何かを我慢するイメージを持たれる方が多いような気がします。 そんな、ぐっと急ブレーキを踏むような我慢は、一時的にはお金が貯まったり、生活が小さくなるかもしれませんが、長い目で見ると負担になり、リバウンドしかねません。 ではどうしたら、生活費を下げつつ、自分なりに満足して暮らせるのでしょうか。 私がたどり着いた答えは、少しのものとお金で暮らすこと=本来の自分に戻すことだと、捉え直してみることでした。

例として挙げられていたのは、「いつも楽しみにしていたスタバでの読書」です。

生活費を抑えるために「スタバでの読書を我慢しなければいけない」と捉えると悲しいですが、

「自分はスタバの何が好きなのだろう?」

「お金を使わず同じ体験はできないか?」

と視点を変えてみます。

もしかしたら、ゆったりとしたBGMを聴きながら本を読むことが好きなのかもしれないし、外出先でコーヒーを飲むという特別感が好きなのかもしれません。

であれば、必ずしもスタバに行かなくても、家で大好きな音楽を流しながら読書をするとか、自宅で淹れたコーヒーをマグボトルに入れて、近くの公園で味わう…なんてことでも満足できそうです。

自分が何に心満たされるのか、丁寧にひも解いていくことで、お金を使わずとも満足のできる暮らしができるようになるそうです。

会社員という働き方を手放して…

そもそも、元は中小企業で働いていた著者が、なぜこのような低コスト生活を送るようになったのか気になります。

働くことに関しては、いろいろと苦しい経験もあったようです。

 以前の私は、とりあえず会社に入って働きまくっていれば、お金の不安はなくなるはずと思い込んでいました。頑張ったら必ず報われるはず、と信じ込んでいたのです。 しかし実際はそれほど単純ではなく、身を粉にして働いてもお金が貯まらず、むしろ苦労だけが増えていく謎の現象が起きていました。

このことを著者は “頑張れば暮らしが良くなる教” とよんでいます。

会社に所属している頃は、身近な人たちが世の中のスタンダードのように思え、周りの人に合わせてファッションや持ち物に気をつかったり、ランチなどのお付き合いにも応じていたそうです。

合わない環境に自分を無理やり合わせることによって「自分を癒すためのお金」=散財も多くなり、お金をなかなか貯めることができませんでした。

会社に雇用された方が、安定した収入を得らるのは確かですが、人には向き不向きがあり、著者は自分のことを “最高に会社員に向いていないタイプ” だったと振り返ります。

 私は人生の長い間、頑なに「働く」=「会社員」だと信じてきました。 会社に馴染めない自分を社会不適合者だと思って働くことが嫌になりかけていましたが、ある無職期間中に、知人から仕事を振られ、予期せずフリーランスのライターとして働き始めたところ、自分は一人で働くほうが向いていることがわかり、一気に世界が開けてとても気持ちが軽くなりました。

会社でのお付き合いや気晴らしのためのムダな出費が減ったことで、がむしゃらに頑張っていた頃に比べて自由に使えるお金の額も増えました。

そして、億劫なことから離れてみて初めて「自分は何がしたいのか」「どんな生活がしたいのか」分かってきたといいます。

著者にとっては「会社員」という働き方を手放したことが、「低コスト生活」への転機となったようです。

「低コスト生活」へのヒント 3選

分からないから不安になる

 心地いいと思える生活を実現するには、一体いくら必要なのか。 必要な貯金を確保するには、どのくらい働いて工面すればいいのか―具体的に金額を把握していなければ、生活やお金の不安は募るばかりです。 その「わからない状態」を式で表してみると、こんな感じではないでしょうか。

一か月あたりの生活費?万円×12か月=一年に必要なお金?万年

自分に必要な額が分からないから、怖くて不安になってしまうというのは納得です。

まずは、「実際の生活費」と「理想の生活費」を明確にすれば、取り組むべきことも見えてきます。

例えば、月々の生活費が12万円、一年間で144万円掛かっていたとして、

理想は一月あたり10万円、一年で120万円であったなら、理想と現実のギャップである24万円(144万円-120万円) をどうにかしなければ!と分かります。

自分にとっての最低限の生活費を把握することで、転職や引越しのハードルも下がり、フットワークも軽くなるといいます。

お金を使う前に頭を使う

 「ちょっと気分転換が必要だな」と思ったときにまず何をすることが多いでしょうか。 まずググる、それより先に家を出る、まず計画や予算確保をするなど、いろんな方がいらっしゃることでしょう。 この「~が必要だな」と思った次のステップに、すぐ「お金」が登場する場合は、月々のやりくりが大変になる……というのが私の学びと気づきです。(中略) なぜか浪費が減らないときは、「●●が欲しい」という欲求が強いのではなく、むしろ手元のお金にすぐに頼ってしまって、考えるのを怠けているというのが実態に近いのです。

現代は魅力的な商品やサービスに溢れていて、お金を使いやすい環境が整っています。

必要だと思ったときに、思考停止ですぐにお金で解決しようとする人と、手元にあるものでなんとか工夫しようとする人であったら、お金の貯まり方や生活力に差が出てくるのは当然です。

著者は、「お金は便利な反面、自分で考えたり、工夫して解決できることを怠けさせる作用がある」といいます。お金を出してしまった方が手っ取り早いからです。

お金を使わずに過ごすアイデアとして次の4つが紹介されていました。

  • 0円デ-:文字通りお金を使わずに一日を過ごす。
  • 0円ネタ帳:0円でできる楽しみ方を書き貯めておき、実行する。
  • 消費・浪費・投資の仕分け:お金を使う「前」にお金の使い方が3つのどれに当てはまるか考えてみる。
  • 妄想メモ:「あれを買ったらこうなるかも!」という脳内シミュレーションをもっと詳しく書き出して真剣に煮詰める。(例)ワードローブに新しい服を取り入れたらどうなる?

お金を使う前に、いったん立ち止まり頭を使ってみたら、お金がなくても解決できること、楽しめることはたくさんありそうです。

仕事×趣味×日常の配合を探る

 効率と成果重視で日々せっせと働き続けているときは、心身ともに疲弊することが多く、反対にお風呂や自炊、睡眠や掃除など、自分の日常にきちんと戻ってくる時間をもつように心がけて過ごすと、押しつぶされるような疲弊感が明らかになくなったのです。(中略) 「仕事」と「趣味」に加えて、自分が戻って来られる「日常」の存在を濃いめに意識してみると、仕事vs.趣味のように分断されることなく、普段の過ごし方を一続きに上手く繋げることができるようになりました。

仕事優先で過ごしていると、家事などの身の周りことがわずらわしくなり、かといって「丁寧な暮らし」を実践しようとすると仕事と向き合えず、「日常」が一種の現実逃避のようになってしまう。

趣味に力を入れてみようとしても「仕事から離れるための趣味」のようになってしまい、うまいバランスを保てない…。

自分にとって最適な「仕事」「趣味」「日常」の配合を探って、うまくバランスが取れるようになると、心穏やかに過ごせるようになるといいます。

 コーヒーや甘いもので気分転換をするように、「日常」には「生産性に直接結びつく訳じゃないけれど、やるといいこと」が含まれている気がします。(中略) なんでもない散歩や昼寝の時間がちょこちょこある生活は、なかなか優雅です。「仕事」「趣味」「日常」を、いまの自分に合ったバランスで実現できていると、浪費が激減して収入も増え、心が満たされながら、低コストに暮らせるようになりました。

「働くことが辛い」という人は、仕事が嫌なのではなく、誰かから強制されるのが嫌なのでは?と著者は指摘します。

本来であれば、どれくらい働くか、日常や趣味の分量も自分で決められるはずなのに、その権利を剥奪されているように感じてしまうから、抑え込まれた分を発散するために、余計なお金が必要になってしまうのではないか…?

著者は、“自分に合った暮らし方ができれば、「仕事」「趣味」「日常」全てが「だたやっているだけで楽しい」”と実感したそうです。

自分に合った過ごし方をすることで、お金に関する悩みも減るなら、まさに一石二鳥。

「低コスト生活」は、自分と徹底的に向きあい、本当に望んでいる暮らしを選び取った結果なのかもしれないですね。

おわりに

今回は、かぜのたみさんが書かれた『低コスト生活 がんばって働いている訳じゃないのに、なぜか余裕ある人がやっていること。』をご紹介しました。

本書には、お金の使い方や管理方法、衣食住のノウハウ、習慣や考え方など、様々な「低コストライフ」のメソッドについて書かれており、紹介できていない部分が多いです。

興味を持っていただけた方は、ぜひ実際に本書を手にとってみて下さい。

この記事が何か少しでもお役に立てば嬉しいです。最後まで読んでくださってありがとうございました。

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※『低コスト生活 がんばって働いている訳じゃないのに、なぜか余裕ある人がやっていること。』は、聴き放題の対象作品です。

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プロフィール
ひなた

・2児を育てる30代ワーママ
・理想の生き方を模索中
 年間読書量:90冊
 ※Audibleでの【耳読書】含む

ブログ『ひなたの本棚』では、
今よりもちょっと理想の生き方へ
をコンセプトに、生き方や働き方
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