『10歳から知っておきたいお金の心得』【紹介・感想】お金は“社会の血液”

本の紹介

お金だけで人生を幸せに生きることは絶対にできないけど、正しい心でお金と付き合っていれば、お金が幸福の邪魔をすることもないよ。

よりよい社会を造るため、人を幸せにするお金の稼ぎ方、増やし方、使い方……。そんなことができる大人になること。そして、なによりもキミたちが幸せな人生を送れる大人になることを、心より願います。

八木陽子監修『10歳から知っておきたいお金の心得 大切なのは稼ぎ方・使い方・考え方』えほんの社(2019年)

今回は、八木陽子監修『10歳から知っておきたいお金の心得 大切なのは稼ぎ方・使い方・考え方』をご紹介します。

監修者の八木陽子さんは、小・中・高等学校で授業や講演活動を行う「キッズ・マネー・ステーション」の代表です。

本書には、「こういう仕事に就けば稼げる」とか「こういうお金の使い方をするとお得だ」ということが書かれているわけではありません。

“この本で本当に伝えたいこと。それは、お金は社会の血液。”

という言葉通り「お金と社会」の繋がりについて考えることの大切さ、そのために必要な基礎知識を分かりやすく解説してくれます。

とはいえ、扱っている内容は「需要と供給」「インフレとデフレ」「キャッシュレス決済」「銀行の役割」「社会保障」「年金」など、ハイレベルかつ網羅的です。

本書は次のような方におすすめです。

  • 「経済」「金融」といったテーマについて学び直したいけれど、大人向けの書籍を手に取るのはハードルが高い
  • 子どもからの「消費税って何?」「銀行って何をしているところなの?」といった質問に、何と答えていいのか悩んだことがある
  • お金の教育の一貫として、子どもに読ませたい

イラストは可愛らしく、語り口もやさしいのですが、扱っている内容は大人向けと思える程なので、入門書としても利用できます。

また、理解力のある子なら本書からしっかりとお金の基礎を吸収できると思いますので、お子さんに与えてみるのもいいと思います。

もともと想定読者が子どもですので、漢字にはルビがふられ、文字も大きめです。

この記事では、本書のおすすめポイント・感想について書いていきます

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本書のおすすめポイント

本書のおすすめポイントは次の通りです。

  • 難しい用語が易しい言葉と可愛らしいイラストで説明されている。
  • 「辞書」「図鑑」的に利用できる。
  • 子どもに伝わりやすい説明の仕方を学べる。
  • 監修者の誠実なお金の捉え方が伝わってくる。

それぞれに詳しくみていきます。

易しい言葉と可愛らしいイラスト

例えば、「投資」についての説明はこんな感じです。

 仕事をしてお金をもらう以外にも、お金を増やす方法があるよ。それは「投資」といってお金に「働いてもらうこと」なんだ。お金をしまっておいて何もしないままでいたら、お金は減ったり増えたりはしないよね。投資は、ある会社の株式などにお金を出して、そこで利益を受け取ってお金を増やすことだよ。

八木陽子監修『10歳から知っておきたいお金の心得 大切なのは稼ぎ方・使い方・考え方』えほんの社(2019年)

「投資」という子どもにとってはあまり馴染みのない用語が、易しい言葉で説明されています。

同じページには、元本割れのリスクや貯金との違い、さらには

“投資をする会社を選ぶコツは、応援したいと思う会社を選ぶことだよ。”

と、投資先を選ぶ基準についても触れられています。

また、豊富なイラストは単に可愛いいだけでなく、絵本のように本文の理解を助けてくれるので、より内容をイメージしやすいです。

「辞書」「図鑑」的に利用できる

目次を見ながら「辞書」「図鑑」的に利用することができます。

第1章から第5章までのテーマは、ざっくりと

  • ものの価格・経済
  • キャッシュレス決済
  • 銀行
  • 投資
  • 税金・社会保諸

と独立しているので、例えば「年金について大まかに知りたい」と思ったら、その章だけ読んでみるのもアリです。

子どもに伝わりやすい説明の仕方を学べる

「円安」「円高」といった大人でも一瞬「あれ?」となりやすい用語について、分かりやすい説明の仕方を学ぶことができます。

円安とは? 1ドル100円だったのが、1ドル110円や120円に変化した状態だよ。1ドルと交換するために、より多くの円が必要になるよね。つまり、円の価値が下がっている状態だね。

円高とは? 1ドル100円だったのが、1ドル90円などに変化した状態だよ。1ドルと交換するために、少ない円でも大丈夫ということだね。つまり円の価値が上っている状態だよ。

八木陽子監修『10歳から知っておきたいお金の心得 大切なのは稼ぎ方・使い方・考え方』えほんの社(2019年)

こんなふうに説明できたら、子どもにも伝わりそうですよね。

監修者がお金に対して誠実

 人生においてお金はすごく大切だよね。でも、お金さえ儲かればどんな仕事でもいいのかな?お金さえ儲かればどんな増やし方でもいいのかな? そんな考え方は寂しいよね。本当に幸せな人生は、自分の大好きな仕事でお金が稼げて、自分の好きな仕事で社会がよくなってくれたら、こんなに嬉しいことはないよね。

八木陽子監修『10歳から知っておきたいお金の心得 大切なのは稼ぎ方・使い方・考え方』えほんの社(2019年)

「キレイごと」のようにも聞こえますが、「稼げるから」という理由で、やりがいを見出せない仕事を我慢して続けることが果たして幸せなのか…。

どこかの誰かを低賃金で雇い、過酷な労働を強いることで利益を上げている企業に投資をするのは、その企業のやり方を支持していることにはならないのか?

そういうことを言っていると解釈しました。

“お金は社会の血液”なので、自分の強みを活かした仕事で報酬を得て、それを納得できる形で使うことができたら、“いいお金の循環” ができ、この世界も少しずつよくなっていく気がします。

感想 (勉強になった点)

ここからは、本書の中で私が面白かった、勉強になったという点をご紹介します。

投資は企業を応援すること

たとえば車を作っている会社があるとしよう。ひとつは効率化を優先して排気ガスをたくさん出している会社。もうひとつは、規模は小さいけれど、排気ガスや環境汚染のことを考えている会社。キミはどちらを応援したいかな? (中略) 「こうなるといいな」「こうなるべきだ!」とキミが正しいと見極めた会社に投資することが大切だよ。

八木陽子監修『10歳から知っておきたいお金の心得 大切なのは稼ぎ方・使い方・考え方』えほんの社(2019年)

2024年から始まる新NISA制度が話題となり、私自身も少しずつ「投資」の勉強しているところです。

同じように「始めてみようかな」と思っていらっしゃる方も多いと思います。

しかし、「投資」を始めようと思ったとき、「いかに損をしないか」「どうやったらリスクを最小限にして資産を増やせるか」ばかり考えている自分がいます。

もちろん、こうした視点も大切だと思いますが、「投資」の成り立ちを考えると、本来「自分が儲けるためにやるもの」とは言えない気がします。

資金が足りない企業があって、それを応援したいと思って出資 (株式を購入) する。その企業がうまく利益を上げられたら、そのお返しとして配当金なり値上がり益が得られるというのが、本当の意味での「投資」だと思うのです。

この考え方も「理想」なのかもしれないですが、子どもに「投資」を説明するときには、すっ飛ばしてはいけない要素ですし、自分自身も忘れないようにしたいと思いました。

おこづかいの使い方のノウハウ

お金の使い方として、参考になりそうなのは、特別ページの「ボクたちのおこづかい大作戦!」に紹介されていた方法です。

お金を計画的に使うために、おこづかいを4つの貯金箱に分けて管理します。どのように分けていくかというと…

  1. 貯めるお金
  2. 使うお金
  3. 人のために使うお金
  4. 増やすお金

例えば、おこづかいを1000円もらったら、〈1〉100円を貯金し、〈2〉700円で欲しいものを買って、〈3〉100円を募金(寄付)して、〈4〉100円を投資に回す、みたいなイメージですね。

〈4〉増やすお金は、親が利子を付けて返してあげるため、手間はかかりますが、疑似投資体験みたいでおもしろそうです。

おわりに

今回は、八木陽子監修『10歳から知っておきたいお金の心得 大切なのは稼ぎ方・使い方・考え方』とおう本をご紹介しました。

お金について子どもに教えようとするとき、知識がないことで騙されたり、気付かない内に損をしたりしないよう、ついつい「お金にまつわる危険・注意点」を伝えたくなってしまいます

それはそれで大切なのですが、一方でお金に関するネガティブな側面だけを強調することにもなりかねないと感じます。

「お金が循環することで社会は発展した」

「自分の消費(買い物)や投資によって、企業を応援することになる」

といった、 “お金の力で社会を変えることができるかもしれない” というポジティブなメッセージも同時に伝えられたらいいのかなと思います。

興味をもっていただけたら、ぜひ実際に本書を手にとってみて下さい。

この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。最後まで読んでいただいてありがとうございました。

プロフィール
ひなた

・1989年生まれ
・2児(5才・7才)のママ
・リハビリの専門職
・趣味は読書&散歩

このブログでは、子育てや仕事、生き方に迷ったとき私を支え、活力となってくれた本をたくさんご紹介していきます。

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