ヨシタケシンスケ絵本 大人におすすめ|人生のヒントになる5冊

本の紹介

今回は、ヨシタケシンスケさんの絵本の中から、「人生のヒントとなる」大人におすすめの作品5冊をご紹介します。

ヨシタケさんと言えば、その優しくユーモアのある作風が人気のイラストレーター・絵本作家です。

子ども達に大人気のヨシタケさんの絵本ですが、実は哲学的で奥が深い内容のものも多いんです。

この記事では、

  • おすすめ絵本5冊のあらすじと解説
  • ヨシタケさんの絵本をなぜ大人におすすめするのか

について書いていきます。

人生に行き詰まり感のある方や、頑張りすぎて少し疲れてしまったという方に

「こういう見方もできるんじゃない?」

と優しく教えてくれる絵本たちです。

人生のヒントになるヨシタケさんの作品 5選

おしっこちょっぴりもれたろう―悩んでるのは自分だけじゃない

出典:https://yoshitakeshinsuke.net/books/oshikkocyoppirimoretaro/

あらすじ・解説

ぼく、おしっこちょっぴりもれたろう。おしっこをするまえかしたあとに、ちょっぴりもれちゃうから、いつもおかあさんにおこられる。でも、いいじゃないか。ちょっぴりなんだから。
ぼくみたいに、じつはもれたろうでこまってる人は、ほかにもいるんじゃないかな?

ねえ、キミ、もしかしてもれたろう……?

https://yoshitakeshinsuke.net/books/oshikkocyoppirimoretaro/

「ぼく」はちょっぴり漏れたおしっこが乾くまで外に出かけることに。

そこで出会った困った顔をしている子たちに、こう聞いてみます。

“ねぇ、キミ、もしかして もれたろう?”

ですが、みんなはそれぞれ違う「ちょっと困ったこと」を抱えていました。

そして男の子は気づきます。

“そとからみたら わかんないけど、みんな それぞれ そのひとにしかわかんない こまったことが あるんだな…”

成功しているように見えるあの人も、自分より幸せそうに見えるあの人も、その人にしかわからない事情や、ハンディや生きにくさを抱えているかもしれない。

「人知れず悩んでいるのは自分だけじゃない」

そんなことに、はたと気付かせてくれる絵本です。

この絵本を読むと、たとえ自分がおしっこもれたろうだったとしても、「大丈夫、大丈夫 どうにかなるよ」と励まされている気持ちになります。

ヨシタケシンスケ『おしっこちょっぴりもれたろう』株式会社PHP研究所 (2018年)

それしかないわけないでしょう―明るい未来を想像しよう

出典:https://yoshitakeshinsuke.net/books/soreshikanaiwakenaidesyo

ある日、おにいちゃんから「未来の世界は大変なことばっかりなんだって」と聞かされた女の子。
ショックを受けて、おばあちゃんに相談すると、「だーーいじょうぶよ!」と、未来にはたくさんの選択肢があることを教えてくれます。

女の子は考えます。「毎日ウインナーの未来」や「毎週土曜日はクリスマスの未来」など、未来への自由な空想はどんどん広がって……

https://yoshitakeshinsuke.net/books/soreshikanaiwakenaidesyo/

あらすじ・解説

“…おとなのいうことは けっこう はずれるな。”

タイトルの「それしか ないわけ ないでしょう」と同じく、作中のこの言葉が、絵本の内容を端的に表していると思います。

ニュースを見れば暗い話題ばかり。

人口減少で社会保障制度が崩壊するとか、首都直下型地震が起きるとか、円安で大変だとか、専門家が色々と見解を述べています。

もちろん、これらは事実やデータに基づいて言われているので、対策をする必要はあるでしょう。

ですが、究極的には未来に何が起きるかなんて誰にも分かりません。

私たちはつい、権威のある人の言葉、世間一般に言われていることを「真実」かのように受け入れてしまうけれど、

“「みらいは きっと こうなる」とか「だから こうするしかない」”

とかは、たいてい当たらないのだといいます。

そうであれば、「楽しく、明るい未来を想像したっていいじゃないか」そんな風に思える作品です。

未来に対して、ネガティブなイメージしか湧かないのであれば、”おとな” の言うことを真に受け過ぎているのかもしれません。

「それしかないわけないでしょう」と想像を巡らせてみれば、違った選択肢も見えてくるはずです。

ヨシタケシンスケ『それしか ないわけ ないでしょう』株式会社 白泉社(2018年)

あつかったらぬげばいい―もっとシンプルに考えよう

出典:https://yoshitakeshinsuke.net/books/atsukattaranugebaii/

あらすじ・解説

「あつかったら」「ぬげばいい」
「ヘトヘトにつかれたら」「はもみがかずに、そのままねればいい」

ふとっちゃったら? へやがちらかっていたら? おとなでいるのにつかれたら? せかいがかわってしまったら?

子どもからおとな、老若男女の悩みや疑問に、2コマで痛快に解決します。

https://yoshitakeshinsuke.net/books/atsukattaranugebaii/

「暑かったら ぬげばいい」「疲れたら 寝ればいい」

ものすごくシンプルですよね。

でも、頭でっかちになってしまった私たちは、時として、こういうことができなくなってしまいます。

この絵本には、ヨシタケさん流のシンプルでゆるーい問題解決法がたくさん示されています。

“ふとっちゃったら なかまをみつければいい”

“だれも わかってくれなかったら しばらく しまっておけばいい”

などは、「問題自体から目をそらすのもアリだ」と言ってくれているようです。

根本的な解決にならなくても、発想を転換することで、ふっとラクになることだってあると思います。

ちょっとしんどい時の応急処置としてそばに置いておきたい一冊です。

ヨシタケシンスケ『あつかったら ぬげばいい』株式会社 白泉社 (2020年)

ころべばいいのに―誰かの不幸を願ってしまったら

出典:https://yoshitakeshinsuke.net/books/korobebaiinoni/

あらすじ・解説

わたしには、きらいなひとがいる。
どうしてあんなことを言うんだろう。自分がされたらイヤなことを、どうして人にできるんだろう。
みんな、石につまづいて、ころべばいいのに。
きらいな人のせいで、全然楽しくない。自分のこともどんどん嫌いになっちゃうし……
ああ、だれかを憎んでいる時間がもったいない!

そこで女の子は、きらいな人を頭の中でやっつける方法を考えたり、イヤな気持ちになったときに自分をはげます準備をはじめます。

https://yoshitakeshinsuke.net/books/korobebaiinoni/

最初は、頭の中できらいな人に仕返しする方法を想像する女の子。

そのうちに、ちょっとした嬉しい出来事が上書きされることで、急にイヤな気持ちが消えてしまうこともあるよね?と気付きます。

さらには、イヤな気分は “とつぜんの どしゃぶり” のようなものだから、ちゃんと避難できる場所を用意したり、あえて雨に打たれてぐしゃぐしゃになってもいいんじゃないと、考えをどんどん膨らませていきます。

「ころべばいいのに」と相手の不幸を願うよりも、自分自身の中で、嫌いな人・イヤなことに遭遇したときの対処法をいっぱい用意しておく。

生きていればどうしても馬の合わない人もいるし、嫌な思いをすることもあると思います。

でも、それは誰の身にも起こること。

「いかに面白がりながら、それらに対処できるか」がそのまま、その人の生き方になっていくのかなと思わされる作品です。

ヨシタケシンスケ『ころべばいいのに』ブロンズ新社 (2019年)

ぼくのニセモノをつくるには―自分自身を知ること

出典:https://yoshitakeshinsuke.net/books/bokunonisemonowotsukuruniwa/

あらすじ・解説

けんたくんは、やりたくないことをやらせるために、ニセモノロボをつくることにします。ホンモノをめざすロボは、けんたくんのことをあれこれ知りたがります。

ぼくってなに? じぶんらしさとは?
考えれば考えるほど、ややこしくてめんどくさい。
でも、なんだかちょっと、たのしい気もする。

https://yoshitakeshinsuke.net/books/bokunonisemonowotsukuruniwa/

“じゃあ、あなたのこと、くわしくおしえてください!”

とロボットに言われたけんたくんは、「ぼく」についてロボットに教えてあげます。

「外見的な特徴はこんな感じ」「好きなものや嫌いなものはこう」。

そのうちに、自分では知らない他人から見た時の自分、居場所によって様々な自分がいることに気づきます。

自己分析って、誰もが一度はやったことがあると思いますが、自分のことって分かっているようで、意外と分かっていなかったりしますよね。

ですが、内省を深めていき自分自身のことを深く知れば知るほど、生きやすくなるのもまた事実だと思います。

私って何だろう?得意なことは?何をしている時が楽しくて、どういうことに幸せを感じるんだろう?

と、自分自身の内側を深掘りするきっかけをくれる絵本です。

ヨシタケシンスケ『ぼくのニセモノをつくるには』ブロンズ新社(2014年)」

ヨシタケさんの作品を大人におすすめする理由

独自の世界観で人気の絵本作家、ヨシタケシンスケさん。

日常の出来事や空想をユーモアたっぷりに描く絵本は、子ども達に大人気ですが、大人が読んでも面白く、気付きが得られる作品も多いです。

特に、ちょっとしんどいときや、疲れてしまったときにヨシタケさんの絵本に触れると、クスッと笑えて、不要な肩の力が抜けます。

読み終わった後に、

「まぁ、どうにかなるでしょっ」

という気分になれるので、私もずいぶんと助けられてきました。

なんども繰り返し読んでいると、「ここでは、こういうことが言いたいのかも」とどんどん読みが深くなっていくのもヨシタケさんの作品ならではです。

人生経験の豊富な大人だからこそ、ヨシタケさんの絵本から得られるものは大きいと思います。

おわりに

今回は、ヨシタケシンスケさんの絵本の中から、「人生のヒントになる」おすすめ作品を5冊ご紹介しました。

大人におすすめということですが、もちろん子どもでも楽しめるので、5才の娘への読み聞かせにも使わせてもらっています。

子どもと大人で違った楽しみ方ができる絵本は貴重です。

子ども達が大きくなった時にに読み返したら、どんな感想を抱くのかなと想像しながら読み聞かせるのもまた楽しいです。

この記事がなにかお役に立てば嬉しいです。最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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