『なくす家事』【感想・解説】シンプル家事でゆとりのある日々を

本の紹介

 令和は「効率的な家事で心にゆとりを持つ主婦」 もう少し心にゆとりを持って、ゆるやかな日々を過ごしませんか? わが家で成功した「家族にバレない手抜き家事」の研究結果が皆さんのお役に立てば嬉しいです。

マキ 著『暮らしのムダをなくしてシンプルに なくす家事株式会社KADOKAWA(2021年)

今回はマキ 著『暮らしのムダをなくしてシンプルに なくす家事』をご紹介します。

著者のマキさんは、2人の娘を育てるワーキングマザー。

新米主婦のころは、めんどうな家事をなんとか好きになろうと努力しましたが、どうしても好きになれず…。

10年かけて“いかに手を抜くか”を考え続けてきたそうです。

『なくす家事』は、そんな著者のシンプル家事のノウハウや、潔く手放したことなどを豊富な写真と共に紹介してくれる本です。

“手抜き家事” という言葉には、なんとなくネガティブな印象がつきまといますが、マキさんが紹介する方法は、

「本当にこれは必要?」

「この工程はなくても困らないのでは?」

と自分自身に問いかけ、ムダをそぎ落としていった結果です。

  • やらなければいけない家事に追われ、いつもイライラしている。
  • もっと心と時間に余裕をもって、穏やかに過ごしたい
  • 家事効率に取り組んでいるけど、なかなかうまくいかない。

という方におすすめの一冊です。

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迷う時間を無くしてシンプルに

著者は「ストレスに感じる迷い」は、極力パターン化するようにしています。

毎日必ずしなければならないことは、なるべく負担なくラクにしたい。

「なにを着ようかな?」

「なにを作ろうかな?」

と迷う時間をなくして、行動を起こそうと思ったらすぐに取り掛かれる方法を提案しています。

「なにを着ようかな?」をなくす

ファッションが好きで、服を選ぶ時間が楽しいという方もいらっしゃると思いますが、

“「忙しい日々をストレスなく平常心で過ごす」”

ことに重きをおいている著者は、服選びに迷うことがストレスだといいます。

そこで、平日に着る服をパターン化。基本は、一枚着るだけでバチっと決まるワンピースです。

洗濯・収納をするときも、ワンピースであればハンガー一本で済むので家事効率もいい。

靴やバックも「黒」で統一するそうです。

TPOを考えて、スニーカー、パンプスと何種類かもっているそうですが、色で迷わなくていいぶんコーディネートはずいぶんラクになりそうですね。

私も含めて、ファッションに苦手意識のある方は、「いろいろ考えて組み合わせたのに、なんだかイマイチ」になってしまうことはないでしょうか?

その点、靴とバックを「黒」あるいは「茶」と、落ち着いた色で統一してしまえば、全体にまとまり感が出るので、ファッション音痴にとっても、ありがたい方法です。

「なにを作ろうかな?」をなくす

朝・夕の食事の支度もかなり労力のいる作業ですよね。

忙しい平日だと、夕方には疲れ切っているので「何をつくろう」と考えることすらしんどい…。 

著者は平日のごはんづくりもパターン化して、迷う時間をなくしています。

朝食は、ワンプレート。パンを主食に、たんぱく質が摂れる卵や加工肉 (ソーゼージや自家製鶏ハムなど)、旬の野菜や果物を組み合わせます。

夕食は、ご飯と具だくさんのお味噌汁、主菜と副菜を1品ずつのスタイルです。

調理方法もパターン化し、主菜はお肉orお魚に野菜を一つ組み合わせて、フライパンで炒めて味を調えるだけとかなりシンプルです。

ごはん作りをパターン化すると何が起るか? キッチンツールや使うお皿が同じになります。そして、作る順番が同じなので、考えなくてもお米をとぎ、鍋に出汁パックと水を入れて火にかけ、フライパンを準備し、メインおかずを炒めれば、晩ごはんが完成するのです。(中略) なにを作るんだっけ?というストレスのほか、なにを使うんだっけ?というストレスをなくすため、平日のごはんはパターン化しました。

マキ 著『暮らしのムダをなくしてシンプルに なくす家事株式会社KADOKAWA(2021年)

食事の大切な目的の一つに、栄養摂取があります。

いくら時短できる方法でも、必要な栄養が摂れないのでは本末転倒

ですが、著者のメニューは簡単で無理がないのに、栄養バランスも整っている印象です。

シンプルな方法とはいえ、手作りで「あからさまな手抜き」といった感じもありません。

闇雲にラクすることだけを考えるのではなく、必要なところはしっかりと押さえているあたりも見習いたいところです。

なくす家事

洗濯物は畳まない

洗濯物を畳む・畳まないは、人によってけっこう分かれるところかと思います。

ちなみにわたしは半々で、タオル類はしっかり畳まないと気持ちが悪いですが、私と夫の服は、畳まずにハンガーにかけたままクローゼットに収納します。

基本的には自分が気持ちいい方法を取ればいいと思うのですが、著者のように、

洗濯物は畳まず「ハンガーから外して引き出しにしまうだけ」

にすれば、かなりラクだろうなと思います。

大掃除はしない

日々の掃除は、ついで&セットで“掃除で頭の中をいっぱいにしない”ようにしているといいます。

具体的には、

  • 手を洗ったついでに洗面ボールを洗う
  • タオルを洗濯機に入れる前に洗面台の鏡の汚れをサッとふき取る

など、動作としては数十秒で済むようなことばかりです。

習慣にしてしまえば “面倒だと思うヒマもなく掃除が完了” するそう。

毎日ちょっとずつセット掃除をしておけば、その部分は年末に気合いをいれて大掃除をしなくて済むのでラクですね。

買い物に行かない

著者は、「毎回買う定番食材」は、生協「生活クラブ」を利用しているそうです。

平日は仕事で忙しいため、一週間分の食材をまとめ買いする方も多いと思います。

ですが、食材が多くなるとスーパーを一回りするだけでも大変ですし、それらを家まで運ぶのも一苦労ですよね。

食材を定期的に届けてもらうことで、これらの手間から解放されるので、“貴重な自分の体力を使わずにすむ”といいます。

常備菜は作らない

週末に常備菜を作ることもしません

理由のひとつは、料理は作りたてが一番美味しいから。

また、食卓に常備菜を出しても、日が経つほどに家族の箸がのびなくなり、結局著者だけが食べていることも多かったそうです。

常備菜作りの代わりにやるのが「半調理」

例えば、ほうれん草を茹でておき、味付けといった仕上げは食べるその日に行います。

こうすれば、その日の気分で味付けを決めたり、食べ飽きないように変化をつけたりすることもできますね。

ムダなものはなくす

“「ものが増えると手間も増えるから、量は少ない方がいい」というのが今の私の結論です”

とある通り、著者の「もの」への向き合い方は、「必要最小限のものを持つ」というミニマリストの考えに近いです。

「お気に入りだけ」というのもポイント

例えば、ゴミ箱はキッチンに一つだけ。

各部屋にゴミ箱があると、ゴミの日にそれらを回収して回らなければなりませんが、ゴミ箱が1つであればその必要もありません。

その他にも、キッチンツールは各ひとつだけ、食器もお気に入りで兼用できるものだけなど、「不便じゃないのかな?」と思ってしまうものもあるのですが、著者にとっては最適解のようです。

常識にとらわれず、自分にとって何がどれくらいあれば、ストレスなく生活できるのか、考えてみる参考になると思います。

「シンプルな暮らし」で大事なこと

小さなストレスを見逃さない

 ものを手に入れるときに「とてもいい」と思って、デザインと機能に一目惚れしても、ず~っと「いい」が続くとは限りません。使ううちに溝の汚れが気になる、掃除が大変など、負の面が見えてくる場合があります。嫌いじゃないけど、ストレスを感じながら使うのってよくないと思います。(中略) 小さなストレスを1つ1つ潰していくことが快適な暮らしへの近道だと感じています。

マキ 著『暮らしのムダをなくしてシンプルに なくす家事株式会社KADOKAWA(2021年)

私は、使っていてプチストレスがあるものも、不満に目をつむって使い続けることが多く「まだ使えるものを買い替える」という発想自体がありませんでした。

「せっかく買ったし、もったいない」

という気がしなくもありませんが、日々の小さなストレスが積み重さなって、生活が軽やかに回らなくなるくらいなら、潔く買い替えてしまうのもアリなのかもしれません。

お気に入りのヒントは部屋の中に

自分の「好き」は、デパートのディスプレイや雑誌の中では見つかりにくいと思っています。(中略) 私は「自分の部屋に、もうすでに自分の “好き” がありますよ」と答えます。たとえば食器棚のコップから、たった2つを選ぶとしたらどれにしますか?じつは、その選んだコップにこそあなたの “好き” が詰まっているのです。

マキ 著『暮らしのムダをなくしてシンプルに なくす家事株式会社KADOKAWA(2021年)

自分の家にあるものは、基本的には過去の自分が「これはいい」と思って選んだものですよね。

もともと「好き」で買ったものから、さらに厳選していくわけですから、そこには、自分にとって心地よい「もの選び」のヒントがたくさん詰まっているというのも納得です。

ちなみに、私も食器棚からお気に入りのコップを2つ選んでみたのですが、両方とも「栃木・益子」で購入した焼き物でした。

量販店で買ったものも普通に使っていますが、自分で時間をかけて選んだ、手作りのものに豊かさを感じているのかもしれません。

おわりに

今回は、マキ著『暮らしのムダをなくしてシンプルに なくす家事』をご紹介しました。

今まで当たり前にしてきたことでも、

「本当にこれをやる意味はあるのか?」

と考えると、明確な理由が思いつかない…ことってありますよね。

そんな自分にとって「意味がない」家事をスッキリと削ぎ落としてくと、今より軽やかに、ゆとりある生活が手に入るのかもしれません。

本書には、その具体例がたくさん紹介されています。

興味を持っていただけたら、ぜひ実際に手にとってみてください。

この記事が、何かお役に立てれば嬉しいです。最後まで読んでいただいてありがとうございました。

プロフィール
ひなた

・1989年生まれ
・2児(5才・7才)を育てるワーママ
・本が大好き 
 年間読書量:90冊
 ※Audibleでの【耳読書】含む

このブログでは、子育てや仕事、生き方に迷ったとき私を支え、活力となってくれた本をたくさんご紹介していきます。

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