『一生お金に困らない子どもの育て方』【解説・感想】家庭でできるお金の教育

本の紹介

今回は、横山光昭著『一生お金に困らない子どもの育て方』をご紹介します。

多かれ少なかれ、お金についての心配事は誰しもあると思いますし、子どもがいるとなればなおさらです。

「将来子ども達が大人になった時に、お金に困らないようにしてあげたい…」

というのは、多くの親御さんが望むところではないでしょうか。

仕事を通して必要なお金を稼げる力を育てるのは大前提ですが、お金そのものに対する価値観や捉え方、正しい知識があるかどうかによっても、お金に苦労するかどうかが左右されそうです。

ファイナンシャルプランナーである著者は、独自の個別の家計相談で、延べ1万5千を超える家計を改善してきた経歴の持ち主です。

そんな著者が教えてくれる「一生お金に困らない子どもの育て方」とはどのようなものでしょうか?

この記事では、「子どもに伝えたいお金の話」「家庭でできるお金の教育」というテーマについて解説していきます。

子どもに伝えたいお金の話

お金の話しをすることは卑しいことではない 

お金の話はタブー視されがちなところがあります。お金に細かいことや「儲け」について話すことは、なんとなく「卑しい」みたいなイメージが付きまといます…。

ですが、著者は “家族の中でお金の話をもっとオープンにしてもいいのでは” と言います。

生活していく以上、お金と縁は切れません。

家庭の経済事情を家族に知ってもらい、お金をいつ・どのように使うのか、皆で共有しておくのは大切なことです。

本書には、お母さんと子どもだけで医学部受験を決め、見事合格したものの、いざお父さんに報告すると家には入学金を支払う余裕がなかった…

という事例が紹介されていました。

お父さんしか家計を把握していなかったことで起った悲劇ですが、当事者になったら全然笑えません。

また、「お金」というのは親子で話せる便利なテーマなのだと言います。

少し意外な感じもしましたが、子どもの好きなテレビアニメのキャラクターやアイドルといった流行についていけなかったとしても、「お金」の話しなら、子どもと同じ土俵に立って話しをすることができます。

(前略) 親子のコミュニケーションこそが一番の子どもの教育だと思います。そのツールとして「お金」は扱いやすいというだけの話しです。共通のテーマを「一緒に考える」ことが大切なのです。子どもに考え、何かを感じてもらう習慣をつけてもらう、とも言えるでしょう。

横山光昭著『一生お金に困らない子どもの育て方』株式会社キノブックス(2019年)

買う前に「考える時間」を持つ

「ほしい!」と思うと、すぐに手に入れてしまいたくなりますが、そこで一呼吸おいて冷静になり「これは本当に必要か?」と立ち止まることが大切です。

子どもはほしいものがコロコロと変わる傾向があります。

実際に手に入れてみるとすぐに熱が冷めて、また別のものをほしがっている……なんてよくあることですよね。

 子どもに「これがほしい」と言われたら、まず「本当にほしいのか?」を考える時間を与えることからはじめましょう。 まずは「ほしい!」という熱い気持ちを落ち着かせ、冷静に判断するくせをつけるのです。

横山光昭著『一生お金に困らない子どもの育て方』株式会社キノブックス(2019年)

また、ほしいと思っているものの値段が高いのか、安いのかを考えさせることも大切だといいます。

お祭りの屋台の綿あめ500円など、子どもの頃はすごく魅力的に思えましたが、原価は数十円でしょうから、かなり割高です(笑)

年に何回かしかない、お祭りを存分に楽しむために買うというのも、もちろんありです。

しかし、この商品の値段に自分は納得できるのか?と考えてみると、意外と「今はいらない」となるかもしれません。

買った後に「振り返り」を行う習慣をつくる 

著者は浪費、いわゆる無駄遣いが絶対いけないとはいいません。

しかし、買った後に「振り返り」を行うことは大切だといいます。

 たとえば、特売だったからといっていつもより多めに買った食材。冷蔵庫の中で腐らせてしまったり、賞味期限が切れて食べられなくなってしまったりしたら、それは「ムダ遣い」になるでしょう。「この出会いは運命だわ」とばかりに衝動的に買った洋服。結局は一度も袖を通していなかったら、明らかに浪費ですね。「買ったらおしまい」ではなく、あとから見直すことが大切なのです。これを繰り返すうちに、余計なものを買う回数が少しずつ減ってきます。

横山光昭著『一生お金に困らない子どもの育て方』株式会社キノブックス(2019年)

自分のお金の使い方は妥当だったのかどうか、子どもに何度も「振り返り」をさせることで“「あ、これをムダ遣いと言うのだな」”と徐々に分かってくると言います。

ほしいものが何でも手に入るとは限らない

特にお金の仕組みが良く分かっていない小さい子どもは、ほしいものがなんでも手に入ると勘違いしてしまう場合があります。

一度、ほしいものをすべて買ってもらえる環境に慣れてしまうと、そこから抜け出すのは大変です。

子ども可愛さに何でも買ってあげたくなる気持ちも理解できますが、「ほしいものは何でも手に入るとは限らない」と教えてあげることが大切です。

ちょっと値の張るものは、お誕生日やクリスマスといった、特別な日のプレゼントにするなどメリハリをつけるといいそうです。

子どもに伝えたい2大お金のトラップ

ある程度子どもが大きくなった時に、ぜひ伝えておきたいお金にまつわる2大トラップがあります。

それは「リボ払い」「マイカー残価設定ローン」です。

リボ払い

2022年から成人の年齢が引き下げられたことに伴って、18歳からクレジットカードがつくれるようになりました。

便利なクレジットカードですが、現金と違って手持ちのお金が目に見えて減るわけではないので、いくら使ったのか把握しにくく、ついつい使いすぎてしまうなどのデメリットもあります。

特に、利用に当たって気を付けておきたいのは「リボ払い」にしない、ということです。

リボ払いでは、利用回数や金額に関わらず、毎月の支払金額が一定になります。

そのため、使い過ぎていても気づきにくく、支払わなければいけない残高がどんどん大きくなってしまうのです。

さらに、利用残高に伴って年利15~18%の手数料が取られます

これはなんと、消費者金融の金利の上限18%と同程度だそうです。

カード会社が「リボ払いにするとポイント〇倍!」などのキャンペーンを打っていることがありますが、決してお得ではないことに注意しましょう。

マイカー残価設定ローン

子どもが大きくなり、自分の乗用車を持つようになった場合には「残価設定ローン」に注意が必要です。

300万円の新車を購入する場合、3年後にその車の評価額、つまり「残価」が100万円になると設定し、その差額の200万円を3年間で分割して支払うというものです。

3年経ったときに、3つの選択肢

  1. 新しい車に乗り換える
  2. 車を返却する
  3. 車を自分で買い取る

の中から自由に選ぶことができるため、これだけ聞くと「憧れの新車にお得に乗ることができる」ように思えます。

しかし、ここに大きな落とし穴が…。

例えば、事故を起こして車を全損させてしまった場合、車には乗れないにも関わらず、「残価」として設定した100万円を返済しなければならないのです。

また、各社が設定している「残価保証の条件」に満たない場合にも、清算金を支払うケースがあります。

しかも、基本的にはローンなので車の本体価格300万円に金利が掛かります。

こうなると、果たしてお得なのかどうか…多いに疑問です。

家庭でできるお金の教育

買い食いの習慣を付けさせない 

著者は、「貯まる子」と「貯まらない子」の大きな違いが2つあると言います。その一つが「買い食いをするかどうか」です。

小中学生が、コンビニの前で輪になってホットスナックやお菓子を買って食べている様子を見かけることがあります。

これ自体が悪いことではないのですが、買い食いすることが習慣になってしまうと、なかなかお金が貯まりにくくなります。

大人でも、朝のコーヒーや、ちょっと疲れた時の甘いお菓子が習慣になっている方もいらっしゃるかもしれません。

一回の出費はせいぜい200~300円くらいかもしれませんが、これを毎日やると一月で6千~9千円とけっこうな額になりますよね。

(前略) 一度コンビニなどで買うことを覚えてしまうと、財布のひもが緩くなるのは大人も子どもも同じではないでしょうか。取り立ててほしいものがなくても、なんとなくコンビニに入って、なんとなく買ってしまう。こうしてお金お使う「クセ」がついてしまいます。 せめて毎月の予算を決めて、その範囲内でやりくりすることを心がけさせましょう。なるべくなら「買い食い」の習慣はつけないほうが、お金も貯まりやすいです。

横山光昭著『一生お金に困らない子どもの育て方』株式会社キノブックス(2019年)

ちなみに、貯められるかどうかを分けるもう一つのポイントは、お金を使う「軸」があるかどうかだそうです。

自分が大好きなモノにはお金を使い、それ以外のところは我慢するといったメリハリを付けられることが大事なのですね。

買い物に連れていく

子どもに「お金」のことを意識させるのに一番有効なのは、「一緒に買い物に行く」ことです。

小さい子であっても、買い物に一緒にいけば「ほしいものをもらうために、大人はお店の人に何か (お金) を渡している」というのは分かります。

もう少し大きくなれば、一つ一つの商品には値段があること、同じものでも、産地や時期などで値段が変わることなどをさりげなく教えることができます。

私の場合は、週一回のまとめ買いの日は自分一人で効率的に済ませ、それ以外ではなるべく子どもと一緒にスーパーに行くようにしています。

小1の長男は簡単な計算ができるので、150円以内で好きなお菓子を選ばせて、お会計も自分でさせています。

自分で買い物ができることは、単純に楽しいみたいです。

買い物に連れていくことは簡単にできますし、お金に興味・関心をもつきっかけになると思います。

月に1回の「マネー会議」

著者の家庭では、月に一回「マネー会議」をやっているそうです。

その月の収入と支出、貯金などを報告し、お金のつかい方が「消費」「浪費」「投資」のどれであったかを振り返るというものです。

  • 「消費」:生活必需品に使うお金。
  • 「浪費」:必ずしも必要ではないけれど、あると嬉しいものに使うお金。
  • 「投資」:一般的な積立投信ではなく、自分の身になるもの、今後役に立つ必要なことのために使うお金。

(前略) 服を買った場合、必要を感じて買ったのであれば「消費」、つい衝動買いしてしまったなら「浪費」、大きな会合に行くために自分を高めたい、というのであれば「投資」に入れられるかもしれません。 要は買ったもの一つひとつに「意味づけ」をしていくことが大切なのです。この作業を家族みんなで行います。

横山光昭著『一生お金に困らない子どもの育て方』株式会社キノブックス(2019年)

子どもと一緒にこの作業を行うとなれば、親の方もむやみやたらに「浪費」はできなくなりそうです。

また、収入から支出と貯蓄分を差し引いた残高を算出し、残ったお金を何に使うかもこの会議で決定するそうです。

ほしいものがある時にはここで発言し、家族皆の賛同を得られれば、それを買うことが決まります。面白いですね。

お小遣いを上手に渡す

お小遣いをあげる目的ひとつは、自分でお金の使い道を考え、買い物の楽しさを伝えるためなので、その額は多すぎても少なすぎても良くありません。

ひとつの目安として、“小学校4年生くらいまでは、300~400円、高学年で1000円以内くらいが妥当なのではないか”と言います。

著者の家庭では、お小遣いは小学3年生から渡すようにして、金額は500円ほど。

学年が上がるにつれ、小4…600円、小5…700円と100円ずつ増えていく仕組みです。

お小遣いは「子どものお金」ですから、よっぽどのことがない限り、口をはさまないことです。はじめはすべて使い切っていた子どもも、ほしいものが見つかると貯金を覚えることもよくある話です。子どもはこうして金銭感覚を身に着けていくのです。お金の使い方が学べるいい機会となるでしょう。

横山光昭著『一生お金に困らない子どもの育て方』株式会社キノブックス(2019年)

また、お小遣いで買うものと、家計で賄うものを明確にしておくことも大切です。

例えば、学校の授業で使う学用品や、家で食べるおやつ、毎日着ていく服などは家計から出すと決めておき、それ以外の、マンガ、雑誌、友達へのプレゼント、友達との外食などはお小遣いを使うといった具合です。

おわりに

横山光昭著『一生お金に困らない子どもの育て方』をご紹介しました。

この記事ではご紹介しきれませんでしたが、親である私たちに向けて、「時代に即した貯蓄の考え方やお金との付き合い方について」も分かりやすく書かれていて、大変参考になりました。

「投資」についても、第5章でまるまる1章を割いて扱っているので、

「なんとなく投資を始めたいけれど、何も知識がなくて不安…」

という方にもおすすめです。

興味をもっていただけた方は、ぜひ実際に本書を手に取ってみてください。

この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。最後まで読んで頂いてありがとうございました。

プロフィール
ひなた

・1989年生まれ
・2児(5才・7才)のママ
・リハビリの専門職
・趣味は読書&散歩

このブログでは、子育てや仕事、生き方に迷ったとき私を支え、活力となってくれた本をたくさんご紹介していきます。

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