『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』【解説・感想】“呪い”をかける言葉とは?

本の紹介

僕自身も子どもの親であり、教え子たちも実の子どものように大切にしています。

だからこそ、今、僕は、お子さんを育てるお母さん・お父さんに、また、誰かを育てる立場にある人に言いたいのです。

ごくありふれた言葉が、大事な人の未来を奪っているかもしれないですよ、と。

坪田信貴著『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』SBクリエイティブ株式会社(2021年)

今回は、坪田信貴著『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』をご紹介します。

著者の代表作『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』通称『ビリギャル』は、有村(ありむら)架純(かすみ)主演で映画化もされたので、ご存じの方も多いのではないでしょうか?

著者は大学から学んできた心理学を活かし、塾講師として述べ1300人以上の生徒を指導してきました。

そんな著者が、多くの子ども達とその親御さんに出会う中で感じたことは

「親が子どものためを思って口にした、ちょっとした言葉が逆効果になっている」

場合があることです。

本書では、子どもの可能性を狭め、自信を失わせかねない言葉を紹介し、どういう伝え方 (言い換え方) をすればいいか丁寧に教えてくれます。

この記事では、「これはつい言っちゃうよね…」という要注意ワードを5つ厳選して解説していきたいと思います。

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「人に迷惑をかけるな」

×「人に迷惑をかけるな」

〇「迷惑はお互いさま。困っている人がいたら助けよう」

坪田信貴著『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』SBクリエイティブ株式会社(2021年)

「他人様に迷惑をかけてはいけない…」

私自身、子ども時代によく言われていたような気がします。

でも、著者曰くこれこそが最初にやめたい声掛けです。それは、この言葉が自分から行動するのを抑制する方向に働くからです。

例えば、上司に相談したいことがあっても、「忙しそうだし、こんなこと相談したら迷惑だろう…」と思って、相談を先送りにしてしまう (そして、しばしば重大なトラブルに発展する)。

会議で話しがまとまりかけた時に、すごくいいアイデアを思いついても、「今発言したら会議が押してしまい、次の予定のある人に迷惑をかけるかもしれないから、やめておこう…」と我慢してしまう。

「人に迷惑をかけてはいけない」と思い込むと、人に助けを求めることや、自分の「言いたいこと」「やりたいこと」を遠慮しがちになってしまいます。

人は助けられたり、助けたりしながら生きています。「他人に迷惑をかけないで生きる」なんてそもそも無理な話しです。

世界では「お互い困ったときは助け合おう!」という姿勢がスタンダードです。

インドでは“「人に迷惑をかけてもいい。その代わり、誰かから迷惑をかけられたら助けてあげなさい」”と教えられるそうです。

もしかしたら、現代の日本の生きづらさも、多くの人が幼いころから刷り込まれてきた「人に迷惑をかけてはいけない」という考え方が一因になっているのかもしれませんね。

「今忙しいからあとで」

×「今忙しいからあとで」

〇「今〇〇をしているから、30分待ってくれる?」

坪田信貴著『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』SBクリエイティブ株式会社(2021年)

かなり言ってしまっている自覚があります(笑)。

やることが多い時に限って「ママ-、麦茶飲みたーい」「ママ-、ちょっとこっち来て」とママ需要が高まるのはなぜでしょう?

著者も、“毎回毎回手を止めて向き合って……というのは、本当はやってあげたいけれど無理でしょう。”と事情を分かってくれています。

それでも、「今忙しいからあとで」と、自分の話しを聞いてもらえなかったら、「ないがしろにされた」と思って子どもは悲しくなってしまいます。

「なぜ今応じられないのか」「後どれくらい待ってほしいのか」できるだけ丁寧に説明してあげることで、子どもの受け取り方は変わってくると言います。

時間の感覚がいまいち身に付いていない娘にも「今洗い物をしているから、もう少ししたら行くね。」と言うことで、何回も「ママ-」と大声で叫ばれることが少なくなった気がします。

「今日は学校どうだった?」

×「今日は学校どうだった?」

〇「今日はドッジボールで遊んだの?」

この言葉自体がNGというよりは、こういった声掛けをしても、子どもの反応がイマイチだった時の対処方を教えてくれています。

我が家の場合は、まだ子どもが小さいので、「今日学校(保育園)どうだった?」と聞けば、いろいろと話してくれるのですが、高学年になってくると、「別に…」「さぁ…」「普通」など、まったく会話が続かないと悩む親御さんもおられるようです。

そんな時は、Yes/Noで答えられるような質問に切り替えてみます。

「学校どうだった?」は、オープンクエスチョンといわれ、いろいろな答え方のできる質問です。この場合、どう答えていいか分からずに言葉に詰まってしまうことがあります。

一方で「今日はドッジボールで遊んだの?」「学校楽しかった?」は、「いや、遊ばなかった。」「うん、楽しかったよ。」と、基本的にはYes/Noで答えられる質問です。

これをクローズドクエスチョンといい、こちらの方が簡単に答えることができます。

親がテストの点数や成績ばかりに関心を寄せていると、

「聞きたいのは成績のことだけなんだな」

と子どもが暗に感じてしまい、それに応える形で授業や成績に関することだけを話すようになる場合もあるそうです。

そんな時にも「今日のクラブ活動は楽しかった?」「今日はお昼休みに校庭で遊んだの?」と聞くことで「あなたの学校生活全体に興味を持っている」ということを伝えることができます。

「この子はいつも~なのよね」

×「この子はいつも~なのよね」

〇「今回は~だったね」

坪田信貴著『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』SBクリエイティブ株式会社(2021年)

例えば、子どもに「あなたは算数が苦手だね」と言うことは、その子に「算数が苦手な子」というラベルを張っているようなものだと言います。

不思議なことに、子どもはその言葉を証明するような行動や思考をするようになって、結果として本当に算数が苦手になってしまうのだそうです。

これは本当にもったいないし、怖いことですよね。まさに「呪い」です。

実は何を隠そう、私自身もこれをやってしまって反省したことがあります。

長男は物事に慎重な性格です。公園の遊具に興味を持っても、自分の限界を低く見積もる癖があるようで、もう少しで行けそうなのに途中で引き返したり、チャレンジ自体を避けたりする傾向がありました。

私は、そんな長男の様子を可愛いらしく思いつつも、少しじれったく「○○は本当に、ビビりだなー。」などと、笑いながらよく言っていました。

そうしたら学校の三者面談で、先生から「鉄棒の授業で『先生、俺、ビビりだがらー』なんて言いながらもよく頑張っていましたよ。」と教えられ、ドキッとしたのです。

無意識の内に「お前はビビりだ」というラベルリングをしてしまっていたことに、この時初めて気が付きました。

しかも、私にはまったく悪気がなかったから、もしお話しを伺えなかったら、今もこのラベルを強化し続けていたことでしょう。

著者は、“ネガティブであれポジティブであれ「あなたは~だ」「いつも~だ」という言い方ではなく「今回は~だったね」と言うべきだ”と述べています。

「今回は~だったね」「次はどうしたらいいと思う?」と対応策を考えていけば、「あなたは~だ」と呪いを掛けずに済みますし、よりよい方向に行動していくことができます。

「ちゃんとしなさい」

×「ちゃんとしなさい」

〇「お母さん(お父さん)みたいにやってごらん」

坪田信貴著『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』SBクリエイティブ株式会社(2021年)

これも、つい言ってしまいがちな言葉だと思います。

ですが、著者曰く「ちゃんとしなさい」というのは、意味があいまいな、よく分からない言葉なのだそうです。

考えてみれば「ちゃんとする」というのは、どういう状態を指すのでしょう?

その時々の状況で「ちゃんとする」が意味することも違ったりしますよね。

 たとえば、病院の待合室の床に絵本を置いて、寝そべるようにして見ていたら「ちゃんとして!」と言いたくなりますが、お手本を見せて「お母さんみたいに椅子に座って、ひざの上で絵本を開いてごらん」とか「あそこに座っているお姉ちゃんみたいに座ってごらん」と伝えれば、どうすればいいか分かります。

坪田信貴著『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』SBクリエイティブ株式会社(2021年)

「ちゃんとしなさい」と同様に、「片づけなさい!」「勉強しなさい!」と言った言葉も、子どもにとってはあいまい過ぎて、何をしたらよいのかよく分かりません。

お片付けに関して、特に小さい子であれば「床に散らばったぬいぐるみをあそこの箱に入れてくれる」と言えば伝わります。

勉強に関しても、伸びしろのある部分を把握した上で「この計算、練習してみない?」といったように、具体的な提案をすることが大切です。

おわりに

今回は、坪田信貴著『「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない』をご紹介しました。

「普段よく言っているけれど実はNGな言葉」がたくさんあり、読みながら苦笑いでした。

冒頭でも書いたように、子どものためを思って良かれと思って言ったちょっとした言葉が、子どもの将来を奪っているとしたら、とても残念なことですよね。

本書は、何気なく発している自分の「言葉」の重要性に気付き、見直すきっかけを与えてくれる良書だと思います。

興味を持っていただけたら、ぜひ実際に本書を手に取ってみて下さい。

この記事が何か少しでもお役に立てれば嬉しいです。最後まで読んでいただいてありがとうございました。

プロフィール
ひなた

・1989年生まれ
・2児(5才・7才)のママ
・リハビリの専門職
・趣味は読書&散歩

このブログでは、子育てや仕事、生き方に迷ったとき私を支え、活力となってくれた本をたくさんご紹介していきます。

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