今回は、三浦将さんが書かれた『自分を変える習慣力』をご紹介します。
著者の三浦さんは、(株)チームダイナミクスの代表取締役として、企業の人材育成や組織開発をサポート。さらに、数千回のセッション実績をもつコーチングのプロです。
『自分を変える習慣力』は、「潜在意識を味方につけて、頑張らずに習慣を身に着ける方法」や「ドミノ倒し的に人生に好影響を与える習慣の見つけ方」を教えてくれます。
本書は、次のような方におすすめです。
- 何をやっても三日坊主で、続かない。
- 何かを成し遂げるためには「並々ならぬ努力」が必要だと思っている。
- 人生に停滞感があるけど、何から手をつけていいのか分からない。
あなたが心から望む人生に向けて、よい習慣を身に着け実践していきましょう。
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潜在意識を味方につける
「わかっちゃいるけどやめられない」はなぜ起こる?
「わかっちゃいるけどやめられない」
あなたには、こんな習慣はないでしょうか?
頭では「よくない」と理解できているのに、なかなか止められない…。
この理由を著者は“「人間の日々の行動のほとんどは、潜在意識に支配されている」から”と言います。
人は、自分の思考や意識で行動していると思っています。そして、自分のやっていることを自分で選んでいる、決断していると信じ込んでいます。しかし、そのほとんどは、潜在意識の中にあるプログラムによってオートマチックに動かされているのです。
三浦将著『自分を変える習慣力』(株)クロスメディア・パブリッシング(2015年)※以下、引用はすべて本書から
そもそも、潜在意識とは?
本書のキーワードとも言える「潜在意識」ですが、そもそも何のことでしょうか?
意識全体を氷山としたとき、水面に現れている極一部が、私たちが普段「意識」している部分で、これを「顕在意識」と言います。
そして、水面下にある意識に上らない部分が「潜在意識」です。
図を見ても分かるように、意識できる「顕在意識」よりも、意識できない「潜在意識」の方が圧倒的に大きいのです。
(前略)潜在意識とは、まさに心の奥底に潜んだ本能的な意識。自覚されることはありませんが、あなたの考えや方や行動に大きな影響を与える部分です。
潜在意識の概念は、フロイトが提唱した精神分析学や、ユングが提唱した分析心理学などで用いられ始め、一般にも知られるようになりました。
一節によると、潜在意識のパワーは、顕在意識の20,000倍以上!
そんなに強力な潜在意識によって、日々の行動が自動的にプログラムされているなら、いつまで経っても自分が望む習慣は身に着けられないのでは?と思ってしまいますよね。
ですが、潜在意は書き換えられます。
潜在意識を書き換える方法
潜在意識を書き換える方法は、大きく2つあります。
- 心理療法の手法を使い、短い時間でプログラムを書き換える方法
- 長い時間をかけて、プログラムを書き換える方法
前者は、メンタルコーチを始めとする心理療法家の力を借りて行う方法です。
著者曰く、トラウマのように潜在意識が一瞬で形作られる場合があるのと同じように、一瞬にしてプログラムを書き換えてしまうことも可能なのだそう。
ですが、私たちが実践していくのは後者の「長い時間をかけて、プログラムを書き換える方法」です。
潜在意識の中のプログラムには、日々粛々と繰り返されることで、長い時間をかけて潜在意識の中につくられるものもあります。(中略) 漢方薬による体質改善のように、ゆっくりと確実に、あなたがより力を発揮できる、人生の土台をつくっていく方法。この土台を自分自身でつくっていくという日々の行動が、とても貴重な行動であり、それがあなたの成長にもつながっていくのです。これは、まさに習慣化の手法。習慣化とは、潜在意識の体質改善でもあるのです。
これを踏まえた上で、なぜ私たちが習慣化に苦戦するのかを考えていきます。
「習慣化」に失敗する理由
潜在意識は「安全第一」
潜在意識の大きな特徴の一つに、「安全第一」で動くということがあります。
犬恐怖症の人が犬を怖がり、避けようとするのは、犬という「脅威」から自身の身を守るためです。
潜在意識には、脅威に対して、私たちを守ってくれる働きがあるのです。
(前略)安心・安全のために、潜在意識は基本、現状維持を続けるために働きます。常に現状維持をしたい潜在意識にとって、現状を変えようとすることは何らかの危険をはらんでいるため、潜在意識がこれに抵抗します。そして、安心安全欲求が脅かされていると判断すると、この変化を起こさないように、その絶大なるブレーキパワーを使い始めるのです。(人がなかなか変わることができないという根本的な原因は、実はここにあります。)
潜在意識はかなり保守的。
そのため、習慣化を成功させるためには、潜在意識の抵抗を受けないよう、安全欲求を満たしながら進めていく必要があります。
三日坊主の人の特徴
習慣化がうまくいかない人は、「頑張り過ぎている」ことが多いです。
本書では、うまく行かないパターンをランニングを例に出して説明しています。
運動習慣のない人が、健康とダイエットのために毎朝10キロのランニングに挑戦しているとします。
一日目:初日で気合いが入っているので、かなりきつくても、なんとか10キロを走りきります。
二日目:朝から全身の筋肉痛にみまわれます。「始めたのだから頑張ってやらなきゃ」となんとか意思の力をフル稼働して完走するも、心身ともにヘトヘトです。
三日目:重い気分で朝がスタート。ランニングシューズを履くことすら心理的な抵抗を感じます。体と気持ちが重く、10キロが果てしない距離のように感じます。「なんで始めてしまったんだろう」と後悔の念が頭をよぎります。
四日目、目覚ましが鳴っているのに、布団の中から出られません…。
実は、上の例は著者自身の失敗談です。
普段ろくに運動をしていない人間が、いきなり10キロを毎朝走るのは、あまり現実的な目標設定とはいえません。
それでも当時は“「相当頑張ってやっと達成できるような目設定でないと、効果や意味がない」という思い込み”を持っていたといいます。
高い目標を掲げることは、悪いことではありませんが、習慣化のプロセスの中でこれをやってしまうと、長続きしない原因になってしまいます。
具体的な習慣化のプロセス
「成果」ではなく「定着」
習慣を定着させるために最も大切なことは、「定着させること」です。
最初の段階では、定着させることに注力し成果を求めないことが肝要です。
そのために、小さく始めることもポイントになります。
ランニングの例で言えば、いきなり10キロではなく、1キロや300mでもいいから、とにかく続けていく。少し物足りない感じ「もうちょっと走りたい」くらいで良いといいます。
目標設定においても、毎日できたかどうか、明確にわかる目標にすると言いそうです。
(例)毎朝ブログを書く⇨毎朝ブログを30分書く
習慣化のためにどれくらい続ける?
まずは3週間、毎日続けてみます。そして、3か月も経つと、ほぼ習慣となります。
ランニングでも、毎日走ることが当たり前になればしめたものです。
「もうちょっと走りたい」くらいの感覚で続けていると、走るという行為が “快の感情” と結びついてきます。
「走る」ことが「心地いい」「楽しい」という感情とリンクしてくると、意思の力を使うまでもなく、勝手に走りたくなります。
意思の力を使って、頑張らなくていい
著者は、習慣化のプロセスを成長曲線を使って説明します。
成長曲線とは、もの事において、それに費やした時間と成果の関連性を示したものです。
最初の内は、半ば手探りで始めるので当然成果はでません。それでも続けていると徐々に成果は出てくるものの、満足のできるレベルには遠く及びません。
それにもめげずに続けていくと、ある時期から急激に成果が出始めます。その後は、二字曲線を辿るように、飛躍的に成果が出るようになってきます。
習慣化のプロセスもこれに類似しています。最初は成果が出ているかすら判らない。それでも続けていくことによって、定着化が進む。やがて、ハッキリとした成果が出てくる。そして、このときにはすでにオートマチックにその習慣を日々行っているので、さらに成果は上がっていく。 (中略)だから、頑張らない、無理しない、それでいて日々粛々とやることはやる、これが大事なのです。
そのためにも、成果が表面化するまえに、途中で投げ出してしまうリスクを下げていくことが重要です。
鍵となる「習慣」の見つけ方
「習慣化」の波及効果
ある実験では、被験者に2か月にわたる運動プログラムに取り組んでもらいました。
すると、運動を続けた被験者は「衝動買いの頻度」「喫煙量」「飲酒量」「人との約束を果たす頻度」などにおいて、好ましい行動が増え、好ましくない行動が減るという、驚きの結果が出たのです。
運動習慣が身に着いたことで、他の生活習慣にも、良い連鎖と波及効果がありました。
さらに研究をすすめると、きっかけは「運動」である必要はなく、「家計簿をつける習慣」や「勉強をする習慣」でも同じような効果が得られました。
自分にとって「鍵」となる習慣を身に着けることで、それを起点に人生をよりよい方向に導いていくことができるのです。
あなたの本当にやりたいことは何?
では、自分にとって「鍵」となる習慣はどのように見つけたらいいのでしょうか?
まずは「そもそも、自分が本当にしたいことは何か?」を考えてみます。
仕事の習慣や早起き、ダイエットなど、「何だか良さそうだから」と思って始めてみても、結局続かない。こんな経験はありませんか? それは当たり前です。あなた自身が腹落ちしている目的意識なしに習慣化に取り組んでも、あなたの心と身体の芯からの継続力が伴ってこないのです。そもそも、何のために習慣化をしたいのか?本当の目的を自分自身で確かめてみることによって、この芯の継続力が生まれます。
「自分が本当にしたいこと」を深掘りしていくために、イメージングをしながら書き出す方法をとります。
書くことによって、潜在意識に働きかける効果もあるそうです。
以下の質問に答えていきます。
“Step1 今後取り組んでみたいと感じている習慣を一つ挙げてください。〔A〕”
⇨ “Step2 Aを習慣にしたいのは、なんのためですか?〔B〕”
⇨ “Step3 Bという目的が達成できたとしたら、さらに何をしたいですか〔C〕”
〔C〕に対しても、それから何がしたい?と考えることによってやりたいことの解像度がどんどん上っていきます。
このステップを踏むことで少なくとも、「やりたいこと」へのヒントは出てきます。
イメージを膨らませるときには、なるべく具体的に、これを達成したときにどこにいる?誰といる?どんな音が聞こえる?どんな気持ち?とクリアにイメージすることが大切だそうです。
おわりに
今回は、三浦将さんが書かれた『自分を変える習慣力』をご紹介しました。
「潜在意識」の特徴を知ったことで、習慣化に向けた道筋や、陥りやすいポイントなどについて理解できたのではないでしょうか?
今回は、
- 潜在意識の特徴
- 習慣化に向けたプロセス
- 『鍵』となる習慣の見つけ方
について、その大枠を解説しましたが、本書には、「自分にあったやり方の見つけ方」「仕事・生活習慣の磨き方」「人生を根本から変える習慣」などについても書かれていて、まだまだ紹介しきれていない部分が多いです。
興味を持って頂けた方は、せひ本書を実際に手に取ってみて下さい。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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