今回は、水野敬也さんの『夢をかなえるゾウ1』という自己啓発小説をご紹介します。
成功者の行動・習慣を、これ以上ないほど分かりやすい「課題」として示してくれるので、この本で言われていることをただ実践するだけで、人生が好転します。
何を隠そう、私もその一人。
また、内容はしっかりなのに読み物として面白く、とにかく読みやすい、単純に笑えます!
『夢をかなえるゾウ』は、次のような方におすすめです。
- 今まで何かを始めても、続いたことがない。
- 人生を変えるために、何をしたらいいのか分からない。
- 楽しく成功者の行動・習慣を学びたい。
この記事では、本書のあらすじと成功の土台である「習慣化」に向けたヒントを厳選してご紹介。
累計460万部を売り上げたヒット作の魅力をお伝えしていきます。
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『夢をかなえるゾウ1』のあらすじ
『変わりたい』と願いながらも、結局いつも何も変えられず “すげー普通の会社員” に甘んじている「僕」。そんな「僕」のもとに突如、「ガネーシャ」という神様が現れる。
ゾウのように長い鼻、片方が途中で折れている二本の牙、ぽってりとした大きなお腹に、腕は四本。宙に浮いたこの神様は、なぜかこてこての関西弁をしゃべり、しょーもないギャグを連発する。
“「で、覚悟でけてる?」”
歴史上の偉人を育ててきたとうそぶくガネーシャは、出された課題を必ず実行すると契約するなら、「僕」を成功へと導いてくれるという。
―「きっかけさえあれば」といつも思ってきた。でも、実は「きっかけ」なんてたくさん転がっていて、「僕」はそれを見逃してきただけなんじゃないか?「きっかけ」は、今なんじゃないか? ―
「僕」は、契約書にサインした。
そして「僕」は、ガネーシャから毎日ひとつずつ出される課題をこなしていくことになる。
課題はどれも然程難しいものではなく「成功と何か関係があるのか?」と思えるような内容も多い。
しかし、ひとつひとつ課題をこなしていく内に、少しずつその真意に気付き、確実に「僕」の何かが変わっていく…。
どこか人間臭い神様「ガネーシャ」
夢をかなえるゾウで、鍵となるキャラクター「ガネーシャ」。
ガネーシャの「課題」は、一見「何の意味があるの?」と思えることも多いですが、“過去に大きな実績を残した偉大な人たちが通過した課題” でもあり、そこには深い意味が隠されています。
ですが、とにかくガネーシャは口が悪い。
「靴をみがく」という最初の課題に対して、「靴なんかみがいて、成功するのか?」と思わずきいてしまった「僕」を、次のようにコテンパンにします。
「今まで、自分なりに考えて生きてきて、それで結果出せへんから、こういう状況になってるんとちゃうの?」
「ほなら逆に聞きたいんやけど、自分のやり方であかんのやったら、人の言うことを素直に聞いて実行する以外に、何か方法あんの?」
「成功しないための一番重要な要素はな、『人の言うことを聞かない』や。そんなもん、当たり前やろ。成功するような自分に変わりたいと思とって、でも今までずっと変われへんかったっちゅうことは、それはつまり、『自分の考え方にしがみついとる』ちゅうことやんか」
「自分が成功でけへんのはなぁ……今さっき『靴みがきして意味あるの?』と考えた、まさにその考え方にすべての原因があるんやで」
水野敬也著『夢をかなえるゾウ1』文響社(2021) ※以下、引用はすべて本書から
これだけ正論を並べられ、ズバッと論破されてしまっては、「僕」も返す言葉がありません。
“くそっ、くそっ!”と心の中で叫びながら、課題をこなすことになるのです。
口が悪いだけでなく、ガネーシャは、事あるごとにお供えとして食べ物を要求したり、人に腹八分目を勧めておきならが、目の前でお腹いっぱい食べてそのまま寝たり、およそ神様とは思えない図々しさとだらしなさを兼ね備えています。
ですが、そんな完璧にはほど遠い人間臭い神様だからこそ、だんだんと憎めなくなってくるのです。
また、時折「深い愛情」のようなものを感じさせる心優しい一面も。
厳しい言葉も私たち人間を成功へと導く、愛の鞭なのかもしれません。
成功の土台「習慣化」へのヒントとなる教え3選
ガネーシャの教えは全部で29個あります。
「靴をみがく」「トイレ掃除をする」といった今すぐにでもできそうなことから、「サービスとして夢を語る」といったちょっと壮大なことまで。
その中でも今回は、成功の土台ともいえる「何かを始め、続ける」という切り口から、ガネーシャのありがたい教えを3つ厳選してご紹介したいと思います。
一日なにかをやめてみる
ガネーシャは「僕」に、「人生を変えたいと思ったら、どうするか?と尋ねます。「僕」は、「何か新しいことをはじめようとするだろう」と答えます。
ガネーシャはそれも一つの方法だと一部を肯定しながらも、多くの人がうまくいかない理由を次のように語ります。
「そうや。たとえば、一日は二十四時間やろ。これは誰にでも与えられた平等な器や。で、今、自分の器はんぱんに詰まってるわけやな。会社いったり、友達と会うたり、寝たり、マンガ読んだり、そうやって二十四時間ぱんぱんにして過ごしてんねや。その器にこれから新しいもん入れようとしても入れられへんやろ。もうぱんぱんやねんから。さてここで質問や。そんなぱんぱんな状態から新しい生活を手に入れよう思たらどうしたらええ?」 「何かをやめて時間をつくる?」 「そのとおりや。『捨てる』とも言えるな。そうやってぱんぱんに入った器から何かを外に出すんや。そうしたら空いた場所に新しいなにかが入ってくる。(下略)」
言われてみればその通りなのですが、「変わりたい、何かに挑戦したい」と思ったときに、「ではまず、何をやめようか?」と冷静に考えられる人はそう多くないと思います。
「僕」は、テレビやネットをやめてみることにしました。すると、時間がぽっかり空き、その空いた時間で、読書を始めることができました。
新しいことをはじめる前に「しないことを決める」。新たな習慣を身に付けたい時に、とても役立つ考え方です。
決めたことを続けるための環境をつくる
テレビを絶つことを決意した「僕」に対して、ガネーシャはしつこく、「何日か経ったらまたテレビを見てしまうだろう」と言ってきます。
「今日から頑張って変わろうと、意識を変えようと思っても変われない」のだと。
「それでも、みんな『意識を変えよう』とするやん? それなんでか分かるか?」 「さあ? どうしてですか?」 「『楽』やからや。その場で『今日から変わるんだ』て決めて、めっちゃ頑張ってる未来の自分を想像するのは楽やろ。だってそん時は想像しとるだけで、実際にはぜんぜん頑張ってへんのやから。つまりな、意識を変えようとする、いうんは、言い方変えたら『逃げ』やねん」
とても耳が痛い指摘ですね。
確かに「これから変わるぞ」と思う時って、まだ具体的に何もしていないにも関わらず、なんだか少し興奮して、やった気になっていたりするものです。
ガネーシャは、変える必要があるは「意識」ではなく「環境」だと言います。
「テレビのコンセント抜いたら、テレビ見たくなっても、一度立ち止まるやろ。そそたら今までよりテレビ見んようになる可能性は、ほんの少しだけやけど、高くなるやろ。もっと言えば、テレビ捨ててしもたら見られへんようになるわな。だって無いんやもん。見ようがないやん。(中略)自分がこうするて決めたことを実行し続けるためには、そうせざるを得ないような環境を作らなあかんということや。ただ決めるだけか、具体的な行動に移すか。それによって生まれる結果は全く違ってくるんやで」
以前に読んだ別の本で、SNSを絶ちたい人が、いちいちパソコンを立ち上げないとSNSにアクセスできないようにしていましたが、これも環境を変えた一例です。
「そうせざるを得ない環境をつくること」は、何かを継続する上で大きな助けになりそうですね。
やらずに後悔していることを今日からはじめる
「やりたいことが見つからない」という「僕」に、ガネーシャは、頭で考えるのではなく、いろいろやってみて体感してみることが大切だと言います。
そうは言っても、何から取り掛かればいいのか分からない。
そんな「僕」に、行動のヒントとして『やらずに後悔していること』を今からやってみることを強く勧めます。
「みんな知ってんねん。やりたいことやって後悔せんような人生送ったほうが幸せになれるてな。でもやらへんねん。何でや? それは、今の自分と同じこと考えてるからや。収入。世間体。不安。同じやで。人を縛ってる鎖なんてみんな同じなんや」 そしてガネーシャは言った。 「今まで無理やったら、これからも無理や。変えるならそれは『今』や。 『今』何か一歩踏み出さんと。自分それ、やらんまま死んでくで」
「何かを始めたい」「挑戦したい」と思っても、「時間がないから」「自分には無理だから」とやる前から理由をつけて諦めてしまう人が大半だと思います。
ですが、「あの時、勇気を出してやっておけば…」と後悔しながら死んでいくのは悲しいですよね。
一度しかない人生、自分の人生に納得感をもって生きていくためにも、「やらずに後悔していること」にもう一度向き合って、本当にやりたいことに存分に時間を使っていきたいものです。
おわりに
水野敬也さんの『夢をかなえるゾウ1』をご紹介しました。
今回ご紹介した内容は、本書のごく一部です。
素晴らしい作品なので、興味を持っていただけた方はぜひ本書を実際に手に取って全文読んでみてください。
また、本書はシリーズ作品になっており、今回ご紹介した『夢をかなえるゾウ』の他に以下の作品があります。
- 夢をかなえるゾウ2 (ガネーシャと貧乏神)
- 夢をかなえるゾウ3 (ブラックガネーシャの教え)
- 夢をかなえるゾウ4 (ガネーシャと死神)
- 夢をかなえるゾウ0 (ガネーシャと夢を食べるバク)
どれも、冴えない主人公の元にガネーシャが現れ、半信半疑ながらも「課題」をこなしていくことで、少しずつ大切なことに気付き、夢に近づいていく…という流れになっています。
シリーズ全作読みましたが、どれも例外なく面白いのでおすすめです。作品ごとにテーマが微妙に異なるので毎回新たな気づきがありました。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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