今回は鈴木尚子著『片づけられる子ども部屋 ママと子どもの心地いい収納』という本をご紹介します。
ライフオーガナイザーとして活躍する著者ですが、もともとは片づけが苦手だったそう。
片づけが出来ず、同時に育児もうまくいかない……雑誌に紹介されているような「きっちりした方法」を試してみるも挫折…。
そんな苦い経験があるからこそ、同じようなママの気持ちに寄り添い、無理なく続けられる収納を提案できるのかもしれません。
本書は、次のような方にお勧めです。
- 片づけたいと思っているのに、どうしたらいいのか分からない。
- すでに、片づけに何度か挫折している。
- 子どもが「お片づけ」できるようになる方法を知りたい。
今回は本書の要点と思われる「片づけやすい仕組み」「片づけのポイント」について解説していきたいと思います。
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片づけられないのは、あなたのせいじゃない
たしかに片づけという動作は、脳をフレキシブルに動かしています。とても複雑な動きなのです。物の要不要判断ひとつとっても、思い出や、くださった方への気遣い、使用頻度について考えたり、家のどこに何を置けば良いかを、まるでパズルを組み立てるかのこどく考える必要があります。
…(前略)…なくし物を探すのに一日の大半の時間を費やしているのも、自分がだらしないせいだと思っていました。 でもそうではありませんでした。正しい手順と、自分に合った仕組み。これを手にする事が必要なのです。
鈴木尚子著『片付けられる子ども部屋 ママと子どもの心地いい収納』(株)KADOKAWA(2014)
片づけはとても高度な作業であるにも関わらず、私たちは、その方法や手順について教わる機会がほとんどありません。
これでは片づけられなくても仕方ありませんよね。
著者は、自身の失敗体験も踏まえて「自分に合った方法」に出会うことが大切だと強調します。
まずは暮らしの土台づくり
いったいこれはどこにしまったら良いのか? そもそもこれは生活に必要なものか? 私の人生に必要なものって何? というように、片づけとは、どのような暮らしをするために、何を持ち、どこにどのように収めたらいいのか?これが決まっていて初めてうまくいく行為。“暮らしの土台”が作られていなければ、片づけはうまくできなくて当然のことなのです。
鈴木尚子著『片付けられる子ども部屋 ママと子どもの心地いい収納』(株)KADOKAWA(2014)
著者は、片づけは「ゴール(目的)」を達成するための「手段」だといいます。
「ゴール」は人によって様々です。
例えば「すっきりとしたリビングで家族みんなでゆったりすること」かもしれないし、「子どもが存分にブロック遊びができる空間をつくること」かもしれません。
どうすれば自分の求める「ゴール」に近づけるのか?
そもそも自分にとっての「ゴール」とは何なのか?
思考の整理 (オーガナイズ) をし、必要なモノを選び (整理) 、自分に合った方法で収める (収納)。日々の「片づけ」以前に、“暮らしの土台”を作る「片づけ」をまず行うことが必要です。
片づけやすい仕組みを作ること
片づけは「使ったモノをもとの場所に戻す行為」ですが、いくつかのステップがあり、まずは片づけやすい仕組みをつくることが大切とのこと。
おもちゃの片づけを例にみていきます。
鈴木尚子著『片付けられる子ども部屋 ママと子どもの心地いい収納』(株)KADOKAWA(2014)
- おもちゃを出す
- おもちゃで遊ぶ
- 遊ぶのをやめて、片づけると決める
- おもちゃを集め、かごなどに入れる
- 片づけるべき場所へ運ぶ
- 片づける場所へ収める
1~6のどの行程で躓いているのかを考えれば、解決策が分かりやすくなります。
1.おもちゃを出す 2.おもちゃで遊ぶ:
遊ぶときに出しやすいということは、遊び終わった後にもしまいやすいということです。
子どもが工作好きなら、一度にすべて出せるよう、かごに画用紙やはさみ、のり、クレヨンなどを一まとめにすることで、遊びやすく、片づけやすくなります。
3.遊ぶのをやめて、片付けると決める:
意外とやってしまいがちなのが、子どもが遊びに夢中になっているときに「片づけなさい」と声を掛けること。
片づけられないと思っていたけれど、実は子どもの”片づけスイッチ”が入っていないだけだった、ということもあるかもしれません。
4.おもちゃを集め、かごなどにいれる:
おもちゃを収納する箱に対しておもちゃが多すぎたり、大きすぎたりする場合も片づけにくくなります。
5.片づけるべき場所に運ぶ:
おもちゃ箱を収納場所に持っていく時に、箱が重すぎたり、収納場所まで遠すぎたりする場合はこの行程に問題があります。
6.片づける場所に収める:
そもそも、片づける場所、モノの定位置が決まっていないということも多いのではないでしょうか?どこに片づけたらよいのか分からない状態です。
このように、「片づけられない」状態を「どこに問題があるのか?」と分解して考え、改善していくと、段々と片づけやすい仕組みが整っていきます。
片づけられる3つのポイント
片づけにおける仕組みをつくるとき、おさえておきたい3つのポイントがあります。
「子どもが片づけやすいようにするポイント」ですが、そもまま大人にも当てはまると思います。
鈴木尚子著『片付けられる子ども部屋 ママと子どもの心地いい収納』(株)KADOKAWA(2014)
- 子どもが片づけられる量である事
- 片づける場所が決まっている事
- 子どもにとって片づけの方法が難しくない事
それぞれ詳しくみていいます。
子どもが片づけられる量であること
片づけられない家庭の共通点として「管理能力を超えたものの量」を所有していることがあげられます。
子どもが遊んだ後に、ママが手伝っても片付けに10分以上かかるのであれば、それは子どもの管理能力を超えているそう。
しまう場所に対して明らかにモノの量が多ければ、片付けられなくて当然です。
モノを収納場所に合わせた量にするか、新たな収納場所が必要となります。
片付ける場所が決まっていること
「片づけの仕組みづくり」でも触れましたが、片付けるためには「片付ける場所」が決まっている必要があります。
家全体の中で、子どものためにどのくらいのスペースを使う事ができるのか、全体像を捉えた上で、計画的・効率的にモノの定位置を決めるが大切です。
衣類が子ども部屋にもリビングにも点在していたり、子どもスペースの中に大人の持ち物が混在したりすれば、子どもが責任を持ってモノを管理し、片付けようという気分を削いでしまいます。
子どもの成長度合いに合わせ「ここはあなたの場所よ!」というスペースを設け、少しずつ片づけを任せられる場所を増やしていくとよいそうです。
子どもにとって片づける方法が難しくないこと
片づけにおいて、年齢や子どもの特性によって難しく感じることは違います。
何ができないのか?どんなやり方だとできそうか?子どもをよく観察することが大切です。
一般的には、片づけまでのアクションが多ければ多い程、複雑であればある程、難しくなります。
美しいビジュアルを優先するあまり、子どもにアクションの多い収納をさせてしまっていたり、面倒くさがりの性格の子どもに細かい分類を強いていないか、子どもの目線にたって見直してみます。
まとめ
今回は本書の中で、片付けるための「重要ポイント」に絞ってご紹介しました。
紹介しきれませんでしたが、
- 著者の小学5生の長男と年長の長女の子ども部屋づくり
- 片付けに困るものとそのお助けグッズ(書類、作品、思いでのもの等)
などもたいへん参考になりました。興味を持っていただけた方は、ぜひ実際に本書を手に取ってみてください。
今回の記事が理想の子ども部屋づくりや、片付けの仕組みづくりの参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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