みなさんは日常的に子どもに絵本の「読みきかせ」をしているでしょうか?
なんとなく良さそうなのは分かっていても、慌ただしい生活の中では、どうしても優先度が下がってしまい、毎日続けるのはけっこうハードルが高いですよね。
ですが、絵本は子どもと楽しい時間を過ごすためのとても良いツールですし、子どもの「世界」を広げていく上でもうってつけ。ぜひ、うまく利用していきたいものです。
今回は習慣として絵本の「読みきかせ」をしている私が、それをどのように捉え、実践しているのか、また絵本や本が身近になる環境づくりについてお話していきたいと思います。
「子どもに読みきかせをしてあげたいけど、なかなか続かない」「子どもが本に興味をもってくれない」とお悩みの方へのヒントをお示しできると思います。
最初に結論を書いてしまうと、
- 前提:「読みきかせ」は義務ではない「楽しむ」ことを最優先に。
- 「読みきかせ」をするタイミング・場所をセットで決めてしまう
- その日に読む本は、基本的には子供が決める。
- 保育園からの配本や図書館を利用して、子どもの年齢や興味に合った本を選ぶ。
- 途中で子どもがしゃべり出しても、脱線してもOK。
- 子ども達が一番よく過ごす場所に本棚を設けて、すぐにリーチできるようにしておく。
それでは、詳しく見ていきます。
絵本がなくても子どもは育つ
絵本・本を読むことが日常の一部になっている我が家ですが、私自身は子どもの頃に絵本を読んでもらった記憶があまりありません。
…あるにはあるのでしょうが、習慣にはなっていなかったようです。父は多読家で居間にいるときにはいつも時代小説を読んでいましたが。
大前提として、絵本がなくても子どもはそれなりに育ちます。
長男が1~2歳くらいの頃、様々なメデイアから「読解力がつくようになる」とか「親子の絆が強まる」といった情報を仕入れて、なかば義務のように「絵本を読んであげなくては!」と意気込んでいた時期がありました。
それなのに、長男が絵本に興味を示してくれないと悲しくなり、最後までお話しをきいてくれないとイライラ…。
せっかく楽しい時間を一緒に過ごそうとしているのに、これでは本末転倒ですよね。
頑張って絵本を読んであげようとして逆にネガティブな気持ちになってしまうのなら、いっそ「今日はやーめた」と、諦めてしまうのもアリだと思います。
親子で楽しむために読もう
子どもに絵本を読んであげるメリットはいろいろと言われていますが、私は子どもの「おままごと」に付き合ったり、一緒にジェンガで遊んだりするのと同じ感覚で、絵本を楽しみたいと思っています。
子どもを自分の膝の上にのせて絵本を読んであげると、なんともいえない穏やか気持ちになり、素直に「幸せだなぁ」と思えます。
最近は長男が重くなりすぎて、このスタイルが難しくなってきているのが少し悲しい。
絵本を読むことのメリットを意識しすぎると、まるでそれが「子どもを“よりよく”育てあげるための手段」のように思えてくることがあります。
ですが、「手段としての読みきかせ」は、「子どものため」というよりかは、親自身の自己満足に近いのかな…と感じるようになってきました。
あくまで子どもと一緒に「今、このとき」を楽しむことが目的で、メリットは後からついてくる嬉しいおまけだと考えると、気がラクになります。
無理なく続ける「読みきかせ」
絵本を読むタイミング
絵本を読むタイミングは圧倒的に寝る前が多いです。
「読みきかせ」を続けるポイントとして、「寝る前の寝室で」「夕飯を食べ終わった後のリビングで」など、タイミングと場所をセットにして習慣にしてしまうといいと思います。
こうすると、子ども達の方から「今日はこれ読んで」と絵本を持ってくることが増えてきます。
もちろん、私の方から「絵本読む?」と声を掛けることもありますが、強制はしません。
子ども達は絵本の時間を楽しんでいるようですが、気分の乗らない日も、眠くて絵本どころではない日も当然あるからです。
私自身も日中忙しくて余力がないときには「ママ、今日は疲れちゃった。ごめん。」と潔くパスします。
先ほどもお話したとおり、「楽しむため」に読みたいので、お互いのコンディションが整っていないときは、無理に読まなくてもいいと割り切っています。
今日読む本の決め方
その日に読む本は、基本的に子ども達が好きなものを選びます。
興味がある「旬」のものを読んであげる方が頭に残るし、単純に好きな本を読んでもらった方が楽しいと思うからです。
絵本を読み始める時間や、私自身の体力に合わせて「今日は2冊まで」などと冊数を指定するようにしています。そうしないと、「あれも、これも」とキリがありません。
時には「これはどう?」とこちらから提案することも。
長男は、『ポケモン図鑑』を一緒に読みたいといって持ってきます。正直、私はそんなにポケモンが好きでも興味があるわけでもないですが、息子が嬉しそうにしているので一緒に図鑑を眺めます。
そして、「ママの時代って、ポケモン151匹しかいなかったんでしょ、すっくな!」といってバカにされます。悪かったな!
絵本はどこで調達する?
保育園では、毎月一冊配本されるのでそれを読むことも多いです。
プロが選書しているため、園児の年齢に合わせて興味を持ちそうな内容、飽きずに読みきれる長さの作品が多いため、重宝しています。
公立図書館もよく利用します。
子どもが産まれてから、改めて図書館のありがたさに気が付きました。
もちろん、書店やAmazonで絵本を購入することもありますが、図書館のようにたくさんの本を個人で所有することは金銭的にもスペース的にも不可能です。
その点、図書館ではたくさんの本を、(私の住む地域では) 好きなだけ、無料で貸りることができます。
子ども達は興味がどんどんと移り変わっていくし、言葉を理解する力も日々変化していくので、テーマも対象年齢も様々な本がそろえてある図書館は最高です。
こんなありがたい施設を利用しないのはもったいない。
絵本選びの基準
私は、基本的には子ども達が自分の興味のある本を選ぶのが一番だと思っています。
でも、この広い世界を「絵本を通じて紹介する」という意味では、あまり関心のないテーマに触れるのもまた意味があると思う。
長男は興味が限定されていて、自分で選ばせると「電車」「動物」「ポケモン」の本しか持ってきません。
そこで、私自身も絵本を選んでいます。こういうときにも図書館はとても便利です。貸りて読んでみて、反応がいまいちだったとしても返却してしまえばいいからです。
最近は『下水道の仕組みを理解するために、体が小さくなった主人公とパパが、下水管の中に直接入ってそこを冒険する…』といった内容の本を選びました。
その少し前に「トイレの水はどこに行くの?」と長男がなにげなく質問してきたからです。
読んであげるとしっかりと興味を示してくれました。もちろん、毎回うまくいくわけではありませんが、こういった絵本選びには、思わぬ出会いがあります。
「読みきかせ」の仕方
特にこだわりがあるわけではありませんが、以前絵本の読み聞きせのボランティアの方から
「文章を読み始める前に少し間を置いて、絵をしっかり認識する時間をつくるといい」
と教えてもらったので、そのようにしています。
パパが読む時には少しふざけながら、極端に声色をおかしくしたり、メロディーをつけて読んだりすることもあり、子ども達が大爆笑しています。
私はそのような読み方が、なんだか作者に失礼な気がして、丁寧に読むようにしていますが、「子どもと楽しい時間を過ごす」ために、絵本を利用しているのであれば、そういう楽しみ方もあっていいのかなと思うようになりました。
子どもがもっと小さい頃は,おとなしくきいていることができず、どんどんと思ったことを口にして私が読んでいるのを中断することも。
「ページを開く」という動作自体に夢中になっていた時期もありました。
当時は「なんできいてくれないの…」とイライラしてしまいましたが、今思えばそんなやりとり自体を楽しめば良かった。
絵本を読み切ることが目的ではないのだから、途中で飽きてしまったときは止めればいいし、文章を読むことにこだわらず「絵」をみながらずっとおしゃべりをしてもいいと思うのです。
そんな堅苦しさがないことも、絵本と長く楽しく付き合っていくためのポイントだと思います。
本棚の場所
本棚は、子ども達が一番長い時間を過ごす「リビング」に設置しています。絵本や本が、身近にある環境にしたいからです。
わが家の場合は、「寝るに本棚から数冊選んで、リビングでそれを読んで片付けた後、寝室に行く」という流れが出来ています。
絵本だけでなく「図鑑」や「辞書(小学生用)」も同じ本棚に収めていて、子どもが何か調べたいときに、すぐにリーチできるようにしています。
「すぐに取り出せて、すぐに片付けられる」ようにしておけば、本に手が伸びやすくなります。
おわりに
いかがだったでしょうか?
繰り返しになりますが、ママ自身がぐったりと疲れている時に、無理に「読みきかせ」をする必要はないと思います。
ですが、子どもと過ごせる時間は限られています。私と同じくらいの子どもを持つご家庭であれば、あと5年後には「絵本を読んであげること」自体が難しくなります。
子どもは日々、成長していきます。
子ども達が大人になったときに「そういえば、子どものころよく絵本読んでくれたな」と思い出して、温かな気持ちになってくれたら嬉しい。そんなふうに思います。
この記事が、なにかお役に立てれば嬉しいです。最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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