子どもにとって重要な能力として注目されている「非認知能力」について興味を持ち、関連する本を10冊以上読んできました。
今回はそんな私が、これらの本に共通する内容を整理しつつ、感じたことや考えたことを正直に書いていきたいと思います。
私の思考が行ったり来たりしますので、少々読みにくいかもしれませんが、よろしければお付き合いください。
「非認知能力」をテーマとした本で共通する内容
まず、「非認知能力」について書かれた多くの本で「共通して語られていること」を簡単にまとめていこうと思います。
- 先が見えないこれからの時代は、認知能力(学力)の高さだけでは太刀打ちできない。
- 大学入試や就職試験でも、求められる人材が変わりつつあり、自分で考えて意見を主張できる人やアイデアを生み出せる人が評価されている。
- 家庭では自分自身の頭で考え、自分の考えを言葉で表現し、人を思いやり、様々なことに興味を持って、少しのことでくじけない力を育てたい。
- 具体的には、家庭での声掛け・対話、自主的で自由な遊び、多様な経験、食事・睡眠・からだを動かすといった基本的な生活習慣が重要となる。
- スマホやゲームに関しても、上手に付き合っていくことが大切。
…と、ざっくりですが、こんな感じです。
これらの主張は「子育ての実体験」や「社会で活躍する方が受けてきた教育」、「科学的な研究結果」などを根拠としているので説得力がありますし、参考になる内容だと思ったからこそ、皆さんにご紹介してきました。
でも実は、100%素直に納得できたかというと、そうではありませんでした。
企業が欲しいのは「従順な人材」?
それは、以前に読んだある本が原因です。
教育とはまったく違うジャンルの本だったのですが、企業の人材雇用に関して、面白いことを言っていました。
多くの企業や採用担当者は、口では「行動力があって自分の意見をしっかり言える人材が欲しい」と、それらしい事を言ったりするが、現場でいちいち意見を言われるのは煩わしいので、本音では「上のいう事をきく、従順な人材が欲しい」と考えている…
と、こんな内容です。企業側の「本音」と「建て前」を垣間見た感じがしました。
そういった昔ながらの体質の企業は淘汰されていくという見方もあるでしょうが、実際に一社会人として働いていると、「そうだろうなー」と妙に納得できてしまったんです。
少なくとも日本で、かつ周りも日本人が多い環境で働く場合には、今でも空気が読めたり、言われたことを素直にできたりすることが重宝される気がします。
「これからは、そうじゃなくなる」と言われそうですが、調和を重んじる日本人の気質的な部分も大きいので、そうそう変わらないんじゃないかな…とも思えます。
こうなると、結局、将来的にどういう人材が必要とされ、どういった力を育めるようにサポートしてあげたらいいのか、分からなくなってしまったんです。
結局、どういう人が求められるの?
いろいろと、考えて思い至ったことは、状況に応じて「使い分けができればいいのではないか」ということです。
つまりは、
- 「調和を大事にする組織の中では、特に自分にとって重要でない事に関して、自己主張を控えることができる」
- 「積極的に意見を求められる場面では、しっかりと自分の意見を伝えることができる」
- 「組織の方針にどうしても従えないときには異見する、場合によってはそこから飛び出す決断もできる」
みたいな…イメージです。
こういうことができれば、どんな組織でも、あるいはフリーランスとして働いていても、自分自身を見失わないで済みそうです。
また、”どうしても嫌なことには「No」と言う” といったような「自分の軸」をしっかり持っていれば、仕事以外の面でも、自分の信条に合った生き方ができると思います。
そこで、また家庭でできる事に思いを巡らせます。
親ができることはなにか
教育現場がいくら変わってきたとはいえ、画一的な内容を教えたり、集団行動が多かったり、そういった基本的なところは私が子どもだった90年代からあまり変化がないように思います。
そういう場所に通っている時点である程度、
- 「場の空気を読んでその場にふさわしい行動をとる」
- 「従順に先生の言う事を聞く」
- 「本当はやりたくないけれども、やるべきこと (宿題や授業そのもの) をこなす」
といった能力は身についていく気がします。
この前提に立つと、家庭では公教育で伸ばしにくい力を伸ばせるようにサポートしてあげたい。例えば、
- 「自分の得意なこと・好きなことを理解するため、様々な経験をする」
- 「周りを気にせずなにかに没頭する」
- 「自分の思いや考えを遠慮せずに言葉で表現する」
といったことが安心してできる環境を整えてあげたいなと思いました。
最終的に、一周回って「やっぱり今までご紹介してきた本の内容が大事なんだな!」と、自分の中でようやく腹落ちしたのでした。
おわりに
いかがだったでしょうか?
今回は、「非認知能力」のまとめというか、自分が考えたことをつらつらと書いてしまいました。
個人的には、本に書いてある内容を素直に受け入れることも大切ですが、自分の中で
「本当にそうだろうか?」
「別の視点からの見方はないだろうか?」
と、ある意味「疑い」を持って、自分の知識や経験と照らし合わせながら読むのも大切かなと思います。
この記事が、何が少しでもお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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