ジェ二ファー・L・スコットさんが書かれた『フランス人は10着しか服を持たない』をご紹介します。
本書は、著者がパリ留学時に学んだシックなライフスタイルを提案する作品です。
「シック」とは、「上品で洗練された」という意味のフランス語。
本書では、暮らし方や生き方、心の持ち方まで含んだ言葉として使われています。
『フランス人は10着しか服を持たない』はこんな方にオススメです。
- 上質なものを少しだけ持ち、長く愛用したい
- もっとシンプルに、でも満ち足りた暮らしがしたい
洗練された暮らしとは、贅沢な暮らしとどこが違うのか?
本書を読んでみると、シックなライフスタイルを取り入れたくなるはずです。
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『フランス人は10着しか服を持たない』の基本情報
基本情報
- タイトル:フランス人は10着しか服を持たない パリで学んだ “暮らしの質” を高める秘訣
- 著者:ジェニファー・L・スコット
- 訳者:神崎郎子
- 出版社:大和書房
- 出版日:2017年5月15日(文庫版)
- 項数:263頁
著者紹介
ジェニファー・L・スコット:
南カリフォルニア大学卒業。大学3年生のときにフランスのソルボンヌ大学、パリ・アメリカ大学へ留学。典型的なカリフォルニアガールだったが、パリの由緒ある貴族の邸宅で暮らすことになり、マダム・シックに出会う。その生き方に感銘を受け、2008年よりライフスタイルブログ The Daily Connoisseurを執筆。パリで学んだ素敵な暮らしの秘訣を紹介した連載記事が大反響を呼ぶ。
2001年に半年間パリに留学し、ムッシュー・シック、マダム・シック、息子さんの3人家族の家にホームステイします。
本書は、著者のブログを元にまとめたもの。
パリで学んだシックな暮らし
ジェニファーが留学したムッシュー・シックの一族は貴族の末裔(まつえい)でした。
広々としたアパルトメントには、アンティークの調度品が並び、どこも綺麗に片づけられています。
平日にも関わらず、きちんとした身なりで、マダム・シックが腕によりをかけたディナーを楽しむ家族たち。
規律正しく暮らしながらも、彼らは暮らしの中の小さな楽しみに大きな喜びを見出しているようでした。
自分をよく知っていて、装いにも食事にもインテリアにもこだわりを持っている。
でも、見栄を張って新しい物に飛びついたりせず、本当に気に入っているものを長く愛用する。
家族との食事をよく味わい、情熱を持って食べる。
五感をフル活用して、全力で「今」を楽しんでいるようでした。
そんなシンプルな暮らしが、著者がパリで学んだ「シック」なライフスタイルの基本です。
クローゼットには10着
ホームステイ初日に、自分の部屋に案内されたジェニファーは、小型のクローゼットを前にして茫然とします。
とてもじゃないが、半年分の服をここに入れておくなんてできない!
でもすぐに、この家の人達にとってはこの小さな収納で充分だということに気付きます。
ムッシュー・シックも、マダム・シックも、息子さんも、持っている服はどれも上質なものばかりだったけれど、彼らは同じ服をしょっちゅう繰り返し着ていた。(中略) マダムの定番とも呼ぶべきスタイルがあって、それがよく似合っていた。
ホームステイ先だけでなく、多くのフランスの家庭で同じような傾向があることを知ったジェニファーは考えます。
アメリカでは皆、呆れる程多くの服を持っている。でもそれは果たして、いいことなのか?と…。
そこでアメリカに帰った後、季節ごとのワードローブを10着に絞って過ごしてみることにしました。
例えば秋・冬なら、カシミアのセーター3枚、シルクのブラウス3枚、ボタンダウンシャツ1枚、形の違うパンツが2枚、スカート1枚といった具合です。
最終的な目標は、クローゼットの中を“自分らしさを表現してくれる大好きな服ばかり”にすること。
そのために、持っていた70%の服を手放しました。
わたしは小さなふたりの子どものいる母親だけれど、きちんとした感じの服を着たい。だから、ちょっとおしゃれな雰囲気のカジュアルでスポーティーな服がワードローブの大半を占めている。わたしが住んでいるのは、冬でも温暖な南カルフォルニア。ふだんの日は、家事や子どもの世話をしたり、子どもたちを連れてママ友の家に遊びに行ったり、執筆したり、散歩に出かけたり。わたしの10着のワードローブには、そんなわたしのライフスタイルが反映されている。
当然ながら、どこに住んで、一日をどのように過ごしているかによって必要な服は変わってきます。
ワードローブを10枚に絞ることは、
- どのような生活をしている(したい)のか?
- 人からどう見られたいのか?
- どんなテイストが好きなのか?
を突き詰めて考えることです。
ジェニファーは、この作業を通して「上質でお気に入りのものを適量持ち、大切に使う」フランス流のシックなクローゼットを手に入れたのでした。
小さなことに幸せを見出す
ホストファミリーの一家は、ささやかな喜びを見つけるのが上手でした。
マダム・シックは、朝食の準備をしながらラジオを聴くのが好きだった。イチゴのタルトを作るときには、イチゴの向きをきちんと揃えて美しく並べるのが好きだった。それから、午前中に女友だちに電話をかけて、パリの街の最新情報を交換するのも楽しみにしていた。
毎日同じことの繰り返しでも、彼らはうんざりした態度を見せることはありませんでした。
それは、日々の生活にも小さな喜びをみつけ、しっかと味わっていたからです。
家事や雑用などの、一見「楽しみ」を引き出すことが難しいようなことであっても、どうせやるなら、自分なりに工夫して楽しんでしまうことです。
また、小さな幸せを見出すためには、五感をフルに生かすことがポイント。
ワインテイスティングでは五感をフルに生かして、ワインの風味を味わって、香りや味についてあれこれとコメントする―ささやかなことから大きな喜びを引き出す。これはまさに、フランス人の暮らし方そのものだ。
休憩時間に何気なく飲んでいるコーヒーでも、カップから伝わる温かさを感じ、香りを嗅ぎ、ゆっくり味わって飲めば、コーヒータイムが今までとはまったく違ったものになるはずです。
閉じられていた五感を意識的に使うことで、日常のささいな出来事も喜びに変わります。
生活がマンネリ化して、ささやかなことに喜びを感じられなくなったら、一番効果的なのは五感をフルに生かすということこと。(中略) 一日じゅうオフィスで働き詰めでも、公園で子どもの相手ばかりしていても、どんな状況だって楽しく過ごすことはできる。(中略) すべてのできごとは、あなたがどう受け止めるかにかかっている。どうなるかは、あなた次第できまるのだ。
おわりに
ジェニファーさんが、最後に述べているのは「情熱を持って生きる」ということ。
“大事なのは「何をするか」ではなくて、「どのようにするか」だ。”
留学中にパリで多くを学んだ女の子が、自分の殻を破り成長していく姿は、私たちに一歩を踏み出す勇気を与えてくれます。
この記事では、本書のエッセンスを解説しましたが、生活を楽しむ上での数々のアイデアは、ほとんどご紹介できませんでした。
興味を持っていただけた方は、ぜひ実際に本書を手に取ってみてください。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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